ユニコーン企業とは?日本で注目の企業を徹底解説!

ユニコーン企業とは

ユニコーン企業とは、設立10年以内で、企業評価額が10億ドル以上ある非上場のベンチャー企業のことを指します。

ユニコーン企業という言葉は、20113年に米カウボーイ・ベンチャーズの創業者が使い始めた言葉と言われています。

当時は、設立10年以内で評価額が、10億ドル以上ある非上場の企業は、珍しい存在だったことから「ユニコーン企業」と呼ばれるようになりました。

また、ユニコーンは額に一本の角が生えた空想上の生き物を指します。

つまり、ユニコーン企業は、ベンチャーキャピタル(※1)を始めとする投資家から、ユニコーンのように希少で、巨額の利益をもたらす可能性のある企業として注目されています。

例えば、現在上場しているFacebook社やTwitter社も、かつてはユニコーン企業でした。

また、ユニコーン企業より更に上の評価額の企業を「デカコーン企業(評価額100億ドル以上)」「ヘクトコーン企業(評価額1,000億ドル以上)」と呼んだりします。

※1:ベンチャーキャピタルとは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社のこと。

世界のユニコーン企業数

前述した通り、ユニコーン企業は非常に珍しい企業でしたが、現在では数多くの企業が追加されています。

2022年7月現在で1,170社(CB insight:https://www.cbinsights.com/research-unicorn-companies)のユニコーン企業が存在します。

特に、昨今は新型コロナウイルス(COVID‑19)の影響もあり、Fin Tech(※1)やEコマース(※2)などの、オンラインで完結できるサービスにも、注目が集まっています。

最近話題となっている、ユニコーン企業の業種は、以下の通りです。

・AI/SNS→TikTokなど

・宇宙関連→SpaceX

・ゲーム→フォートナイトなど

・ソフトウェア→Canvaなど

以上のように、世界のユニコーン企業数は、アメリカと中国が大部分を占めています。

最近では、人気ゲーム「フォートナイト」の開発を手がける「Epic Games」やTiktokを運営する中国のBytedance社が、上位にランクインしていたりと数多くのアメリカ・中国のユニコーン企業が、注目を集めているのが現状です。

※1:Fin Tech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融系のITサービスを指します。

※2:Eコマースとは、インターネットなどのネットワークを介して契約や決済などを行う取引形態やそのサービスを指します。

日本国内のユニコーン企業

2018年に日本政府は、「企業価値又は時価総額が10億ドル以上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコーン)又は上場ベンチャー企業を2023年までに20社創出」という目標を掲げ、「J-start up(https://www.j-startup.go.jp/)」という新規事業のスタートアップ支援を開始しました。

そして、目標を掲げた2023年まであと半年弱、日本で現在ユニコーン企業と呼ばれている企業は以下の通りです。

1.株式会社Preffered Networks

企業解説:日本のIoT分野での活用を中心にディープラーニングの研究と開発を行うスタートアップ企業

Preffered Networksは、AIの深層学習を利用したサービスの提供を行っている会社です。

加えて、Preffered Networksは、省電力が強みとされる、スーパーコンピューター(スパコン)の開発も行っており、2020年6月のGREEN500というランキングでは、省電力性能において、世界一をとった会社としても知られています。

トヨタ自動車やファナックNTTなどの大手企業が、Preffered Networksに出資しています。

2.スマートニュース株式会社

企業解説:スマートフォン用のニュースアプリの運営を行う企業

スマートニュース株式会社は、スマートフォンアプリの開発と運営、インターネットサービスの開発と運営を行っている企業です。

スマートニュース株式会社の、代表的なサービスは『スマートニュース』というニュースアプリです。

『スマートニュース』はこの1年間で、ニュースカテゴリーの利用者数が一番伸びているニュースアプリです。

加えて、企業価値も10億ドルを越え、1241億円となっており、未上場企業のユニコーン企業となりました。

https://about.smartnews.com/ja/

日本にユニコーン企業が少ない理由

世界では、ユニコーン企業が増加傾向にある中で、日本のユニコーン企業はまだまだ少ないのが現状です。

大きく2つあるといわれている理由を、具体的に解説していきます。

理由①|世界に比べるとベンチャーキャピタルが少ない

まず1つ目の理由として、世界の企業に比べるとベンチャーキャピタルによる投資が、日本では盛んでは無いという点が挙げられます。

もちろん、一昔前に比べると日本のスタートアップ企業も、数十億単位の資金調達を行なっている事例も増えてきましたが、それでもまだ日本のベンチャーキャピタルの投資額はアメリカや中国に比べるとかなり少ないです。

特に日本の企業は、ベンチャーキャピタルからの資金調達のハードルが非常に高いため、資金調達を行う方法として、上場を選ぶ企業も少なくないのです。

そのため、ユニコーン企業を増やして日本の経済を盛り上げていくためには、ベンチャー企業への積極的な投資が必要であるといえます。

理由②|日本で起業を志す人が少ない

日本で起業を志す人が少ないことも、ユニコーン企業が少ない原因の1つと言えます。

米国バブソン大学と英国ロンドン大学ビジネススクールの起業研究者達が集い以下の調査を行いました。

▼調査内容

・正確な起業活動の実態把握

・各国比較の追求・起業の国家経済に及ぼす影響把握

この通称GEMで行われた調査では、日本で「起業を志す機会はあるか?」という問いに「ある」と回答した人(18〜64歳)はわずか10.6%にとどまり、調査した50カ国の中で最も低い割合でした。

日本で、起業を志す人が、少ない主な原因としては、日本人は終身雇用や年功序列など、安定的な働き方を求める風習を求めていることが挙げられます。

つまり「挑戦」より「安定性」を求めるマインドでビジネスに携わっているため、新たなアイディアや事業が生まれにくい体質といえます。

また、学校教育において、も発想力や思考力を強化する授業が少ないことも、理由として挙げられます。

今の日本の学校教育は、「みんな同じ行動・同じ考え方でなければいけない」という古い教育姿勢で学んでいるため、海外のように柔軟な発想力が定着しにくい状況であると言えます。

日本がユニコーン企業を増やすために必要なこと

最後に、日本がユニコーン企業を増やすために必要なことについて解説していきたいと思います。

具体的に以下の3つが挙げられます。

1.失敗を恐れない雰囲気づくり

ユニコーン企業を増やすためには、失敗を恐れない雰囲気を社会に根付かせる必要があります。

そのためには、最初の段階で市場を世界に置き、グローバルに活躍できるカルチャー(文化や思想)を国内に定着させる必要があります。

また、成功体験だけでなく、失敗の経験もプラスに評価する組織風土を構築することも重要です。

2.イノベーションを起こせる人材開発

まだ世の中にないテクノロジーを開発するには、スキルの高さと、ユニークな価値を作り出せる人材が必要不可欠です。

世界で活躍できるユニコーン企業を増やすには、専門性の高い新たなイノベーションを生み出せるような人材開発が必要にとなります。

3.投資規模の拡大

資金調達の課題を多く抱える日本では、投資家が企業の評価額が上がるまで辛抱強く支えなければなりません。

特にユニコーン企業を増やすためには、投資家からの協力はが必要不可欠です。

また、グローバル化を推進するためには、資金援助の流れを迅速にする仕組みづくりも大切です。

まとめ

今回は、ユニコーン企業の意味や日本のユニコーン企業の実態などを、解説してきました。

日本国内においても徐々に増えつつありますが、世界と比べるとまだまだ少ないのが現状です。

その理由としては、海外に比べると起業家の数やベンチャーキャピタルが少ない点が挙げられます。

一方で、日本のユニコーン企業を取り巻く環境も変化しています。

今回紹介したスタートアップ企業を参考に自身の事業にも活かしてみてはいかがでしょうか。

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