DX人材とは?採用方法を併せて解説!

近年、「DX」という用語が注目を集めています。

メディアや大手企業もこぞって「DX化を推進する」「DX人材の確保」というように、すっかり定着しつつあります。

しかしながら、DXとはそもそも何なのか、DX人材とはどのような人材のことを指すのかということが、明確に分かっていないという方も多いと思います。

中には、「IT化」と混同しているケースもあるでしょう。

この記事では、昨今のビジネス環境をとりまく「DX化」とそれを実現するための「DX人材」について解説します。

DXとは

DX人材という概念を理解するためには、まずDXとは何なのかということを理解しなければなりません。

DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」のことを指します。

DXには、様々な概念がありますが「トランスフォーメーション」には「変革」という意味が込められており、大きな意味としては「デジタル技術を社会に浸透させ、ビジネスや生活を変革していく」ということです。

これをビジネスの場面に当てはめると、まず「古いシステムや風土・慣習からの変革・脱却」「デジタル技術を駆使した業務改善」「デジタル技術による新たなビジネスモデル」などのことを言います。

DXが推進される背景としては、まず企業のビジネスにおける「データ」の重要性が飛躍的に高まったこと、現代におけるビジネスにおいて、IT・システムなくしてはビジネスの推進やスケールが望めないことなどが挙げられます。

ここまでの解説では、DXはつまり企業のIT化を推し進めるという概念に類似しているように思われますが、DXの本質はIT化ではない、というよりも、IT化だけではDXとは呼べないという表現が適切といえます。

DXと「IT化」や「デジタライゼーション」との違い

日本においては、「IT革命」という言葉が流行した時代がありました。

日本で「IT革命」と呼ばれた時期は2001年ごろとされており、世界的にも情報化・デジタル化が推進されました。

日本においても、これらの変革を成し遂げるため、インターネットの利用環境が整備されるなど、ICTインフラの整備が進められたり、企業においてもパソコンなどの設備投資が相次ぎました。

近年では、店舗や事務所にパソコンが設置されていないケースのほうが珍しいほどですが、そのようなビジネス環境であったとしても、これは「DX化」とは異なります。

これらはいわゆる「IT化」であり、事務処理の一部をパソコンで処理するようになったということを指し、紙とペンで処理していたものを、パソコン上で処理することとなった部分については「デジタライゼーション」と呼ばれるデジタル化のことを指します。

これに対してDX化は、社会的に利用されているデジタル技術、ユーザー・消費者の行動までをデータで分析し、それによって得られた情報やデータをビジネスに活用していくところまでを含みます。

一時期大きく話題となった「AI」や「IoT」「ビッグデータ」といった概念は、こうしたDX化に包含される概念と考えることができます。

ITやAI、IoT、ビッグデータを活用して、デジタル技術とデータを使ったビジネスを展開し、社会に好影響を与えていくことこそがDXであるといえるのです。

DX化を実現するためのDX人材は「IT人材」とは異なる

先に触れた「IT革命」と呼ばれた時代は、日本でも特にシステムエンジニアやプログラマーといったIT人材が多く求められた時代でした。

この時代は、これまでシステムやITを活用してこなかった時代に、それらのIT人材が情報基盤を築いた時代です。

すなわち、紙とペンを使って事務処理をしていた会社にパソコンを導入し、インターネット環境を構築し、パソコンの使い方を普及させた時代であったのです。

しかしながら、現代における「DX化」はこうした人材だけでは成し遂げられません。

確かに、システムエンジニアやプログラマーには一定の必要性があり、システムの構築やインフラの構築を行う業務も存在します。

しかしながら、システムエンジニアやプログラマーがシステム開発を行う理由には、「どのようなシステムがビジネスにおいて必要であるのか」を判断・指示する人材が必要であったという背景があります。

加えて、ビジネスによって得られたデータを収集・解析し、それをシステムやAIに落とし込む役割である「データサイエンティスト」と言われる人材や、エンジニアの中でも一部しか習得していない先端技術を扱うことができる「先端技術のエンジニア」が必要になります。

システム開発を担うシステムエンジニアやプログラマーと、経営側やビジネスを創出する企画側との橋渡しをするアーキテクトといった人材も欠かせません。

つまり、DXとは単にパソコンやネットワークといった「機器」や、業務効率を上げるための「システム」を作ればよいというものではなく、自社のビジネスをデジタル化していくために、ビジネスそのものを再検討、再構築していくという視点が必要なのです。

適切なDX人材を採用するには

先の項目で解説したように、一口に「DX人材」といっても、DX化を推し進める人材には様々な「求める能力の違い」があります。

IT化の時代とは異なり、ITやデジタル技術に詳しい人間が入社すれば、DX化が推進できるというわけでもありません。

DX人材を採用するにあたっては、まず自社の方向性をしっかりと確定させ「DX化を推し進めるためには、自社の業務やビジネスをこの方向に変えていく」という方針を、明確にすることが重要です。

そして、DX人材は役割ごとに採用し、既存の社員との間で認識の齟齬が生まれないよう、適切にコミュニケーションを取らせることが、重要であるといえます。

例えば、採用されたDX人材がデータの活用を行おうとしたとします。

しかしながら、対応するデータが営業から収集されていなかったり、分析したデータがマーケティング部門でまったく活用されていないということになると、DX化はまったく実現されておらず、単にデータを取っただけということになります。

結果、自社のビジネスは何も変化せず、ただ人材を一人採用しただけということになるでしょう。

現在、DX人材は日本全国だけではなく、世界的に求められている人材であり、かつ高いスキルを持ったDX人材は、採用に関しても競争力が高いという現状があります。

折角、採用することができたDX人材を適切に活用するために、まず採用の前に自社のDX化に関する方向性を策定し、社内の各部署にも連携し、DX化に関する意思統一をはかっておくことが重要であるといえます。

まとめ

IT化の時代には、いまだ社内にいるほとんどの人がパソコンを触ったことがない、ITに関してはまるでわからないという人が大半でした。

それでも、いわゆる「外注」としてIT人材を社内に招聘し、適切なシステムやインフラを構築してもらうという「丸投げ」ができました。

しかしながら、現代におけるDX化は、IT化とは本質的に異なります。

機器やシステムを導入して終わりというものではなく、自社のビジネスにおけるデータの活用という、いわばビジネスそのものへの考え方の変革こそがDXにおいて欠かせない要素です。

そのため「誰かにお願いすればいい」という受動的な態度では、DX化は決して実現しないのです。

DX化を実現しようとする企業においては、改めて自社でどのようにDX化を進めていくのか、データやデジタル技術をどのように活用していくのかという点を今一度整理・分析することから着手するのが賢明といえるでしょう。

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