ラポールとは
ラポール(rapport)とはフランス語で「橋を架ける」という意味で、信頼関係を築くという意味を表します。
ラポール形成をすると顧客との間で信頼関係を築き、円滑なコミュニケーションを取ることが可能となります。
それでは詳しく解説していきます。
ラポール形成のメリット
ラポール形成には、コミュニケーションにおけるメリットがあります。
ラポール形成のメリットは、
・コミュニケーションが取りやすくなる
・信頼関係が生まれる
・ビジネス成果が期待できる
の3点が挙げられます。
詳しく解説していきます。
コミュニケーションが取りやすくなる
ラポール形成をすると安心感や信頼感が生まれ、テンポよく会話を進められるようになります。
ラポール形成は、相手を観察するところから始まるため、相槌のタイミングも掴みやすくなります。
ラポール形成を行うことで、仕事や家庭で相手との円滑なコミュニケーションを築くことができるようになります。
信頼関係が生まれる
ラポール形成すると、信頼関係が生まれるため、部下や仕事相手のモチベーションの向上や相手とのコミュニケーションの円滑化に繋がります。
初めてコミュニケーションを取ろうとする時に、抱きがちな警戒心が薄れ、この人なら仕事を任せても大丈夫だろうという確信に繋がるので、取引が上手くいくようになります。
ビジネス成果が期待できる
ラポール形成した相手の話には、耳を傾けやすくなるため、商品やサービスの説明がしやすくなります。
信頼関係の築けた相手からのセールスのため、商品やサービスの購入に繋がるほか、リピート率も上がるので、ビジネス成果が期待できます。
ラポール形成の手法
ラポール形成には、
・ミラーリング
・ペーシング
・マッチング
・キャリブレーション
・バックトラッキング
という5つの手法があります。
それぞれ解説します。
ミラーリング
ミラーリングは、鏡に写すように相手の動作や姿勢を真似する手法のことです。
例えば、相手が足を組んだら自分も足を組む、相手が口角を上げたら自分も口角を上げるといったように、不自然にならない程度に相手の行動の真似をします。
些細な仕草が似ていると人は、無意識のうちに共通点を見出して好感を抱くようになります。
ミラーリングによって、自分と似ていると感じた相手との距離が縮まる効果が得られます。
ミラーリングは、ラポール形成の基本的な手法のひとつです。
ペーシング
ペーシングは、相手の話すトーンやテンポ、相手の仕草に話し方のペースを合わせる手法のことです。
目の動きなども観察して相手にペースを合わせます。
具体的には、相手がゆっくり話す人であれば自分もゆっくり話し、明るい話題であれば明るく反応を返しながら会話を進めます。
また、相手が使っている言葉も自然と会話に盛り込んでいきます。
ペーシングによって、相手は自分を理解してくれていると感じるようになります。
より深くペーシングを極めたいのであれば、相手の胸元や肩の動きから呼吸のタイミングを見極めて、それに合わせて呼吸するようにしましょう。
マッチング
マッチングは、相手の声のボリュームやトーン、話すスピードやテンポを合わせる手法のことです。
ペーシングと似ていますが、マッチングはより聴覚に重きを置いた手法です。
マッチングによって、話すテンポを合わせることでコミュニケーションを円滑に行います。
話のテンポを合わせることで、相手に話しやすさを感じてもらい、心の距離を縮めることが出来ます。
キャリブレーション
キャリブレーションは、相手の仕草や表情、態度から相手の心理状況を考える手法のことです。
例えば、相手が話の流れに納得していないようであれば、再度質問を投げかけたり話の要点をまとめて確認したりするなど、コミュニケーションの流れを変えます。
また、相手の体調が優れない様子を汲み取って声をかけることもキャリブレーションのひとつです。
キャリブレーションによって、本心をわかってくれる相手であると信頼感を得ます。
バックトラッキング
バックトラッキングは、日本語でいうオウム返しのことです。
相手の言った言葉と似たような言葉を使うことで、話をちゃんと聞いていることを示しているほかに、自分でも話の要点を確認することができます。
例えば、相手が「楽しい」などの感情的な言葉を使ったら「それは楽しいですね」と、その感情をなぞるように言葉を繰り返します。
また、要点のすりあわせをしたい場合、「〇〇ということですね」と言われたら「〇〇ということです」と要点を繰り返し、理解度を確認します。
バックトラッキングによって、話を聞いて受け入れてくれているという安心感や信頼感を得ることができます。
ラポール形成のコツ
ラポール形成のコツは
・相手をよく見る
・相手を否定しない
・過剰に手法を使わない
・ラポールが形成される前に本題に入らない
の4点です。
詳しく解説していきます。
相手をよく見る
ラポール形成の手法を実践するために、まずは相手をよく観察しましょう。
声の調子や仕草から相手に合う手法やコミュニケーション方法を取ることが大切です。
視線の動き方や手振り身振りを使うかどうか、図表などの視覚的な情報を欲しているかといった情報を得ることが重要です。
初対面でも相手をじっくり観察することで、ラポールを形成することができます。
相手を否定しない
相手を否定せず、考えを尊重することで信頼関係を築きます。
まずは、相手の話を肯定してから価値観を擦り合わせていき、理解を深めましょう。
相手の話に対し「でも」などの否定の言葉を使わないようにしましょう。
相手が自分の話を聞いてくれる人だと、思わせられることが出来ると、信頼感に繋がり、こちらの話も受け入れてくれるようになります。
過剰に手法を使わない
特に、ミラーリングなどは、過剰に使ってしまうと不自然になり、失礼な印象を与えます。
あくまでも、自然な範囲で行動を真似るなどしてラポールを形成しましょう。
ラポールが形成される前に本題に入らない
まずは、信頼関係を得ることが重要なので、ラポールが形成される前に仕事の本題に入らないようにしましょう。
相手が興味を持っていることやさりげない日常会話から入ることで、気持ちを和らげましょう。
第一印象をよくすることでラポールは形成されやすくなります。
まとめ
ラポールとは、信頼関係を築くという意味を表す言葉です。
ラポール形成には、コミュニケーションが取りやすくなる、信頼関係が生まれる、ビジネス成果が期待できるといったメリットが上げられます。
ラポール形成の手法としてはミラーリング、ペーシング、マッチング、キャリブレーション、バックトラッキングの5つがあります。
相手の仕草や話し方を不自然にならないように真似たり、相手の様子を気にかけたりすることで円滑なコミュニケーションを築いていきます。
相手の様子を見ながら上手く手法を駆使してラポールを形成しましょう。