ブレーンストーミングって聞いたことはあるけど、良く分からないという人も多いのではないでしょうか。
ブレーンストーミングは、新しいアイデアを出すために用いられる手法です。
今回、本記事ではブレーンストーミングのメリットや注意点を解説していきます。
ブレーンストーミングとは
ブレーンストーミングとは、複数人で自由にアイデアを出し合い、より良いアイデアを参加者全員で思いつくための手法です。
日本では「ブレスト」と略されたり、「集団発想法」と訳されたりします。
ブレーンストーミング(brainstorming)は、アレックス・F・オズボーン氏が1950年ごろに生み出した発想法で、現在、世界中の会社、組織で実際に用いられています。
ブレーンストーミングの4原則
ブレーンストーミングには4つの原則があり、この原則をしっかり守っていないと本来のブレーンストーミングとは言えません。
説明する原則を守りながら適切にブレーンストーミングを進めましょう。
①参加者のアイデアを否定しない
ブレーンストーミング中は、参加者のアイデアを否定してはいけません。
一度否定されてしまうと、否定されることを恐れて、参加者がアイデアを提案しづらくなってしまいます。
自分のアイデアを「それは間違いだ」「現実的ではない」と受け入れてくれなければ、新しくアイデアを提案する気が削がれてしまい、新しいアイデアが生まれにくくなってしまいます。
ブレーンストーミングでは、そのようなことにならないように気をつけましょう。
②質より量
アイデアは質ではなく、量を意識してどんどん出しましょう。
アイデアの質を意識してしまうと自由にアイデアを出しあえなくなり、斬新なアイデアが提案されにくくなってしまいます。
加えて、たくさんのアイデアを出していくと、それらを組み合わせることで今まで思いつかなかったアイデアを思いつきやすくなります。
③自由にアイデアを出す
アイデアは、自由にどんどん出しましょう。
自由にアイデアを提案する方が、より画期的なアイデアが生まれやすくなります。
「このアイデアはさすがにうまくいかないだろう」「このアイデアはあの人が困りそう」と余計なことを考えてしまうと今までにない考えは出てきません。
参加者が、自由にアイデアを出すこと出来る環境を作り出すことが、ブレーンストーミングを行う上で、重要です。
④アイデアをまとめる
ブレーンストーミング中にでたアイデアは、必ずまとめましょう。
ブレーンストーミングでは、質より量を意識して、自由に出されたアイデアが全て否定されずに残されます。
このままでは、アイデアが支離滅裂な状態になっているため、現実に実行できる段階になっていません。
アイデアを出し終えた後には、ブレーンストーミング中に出されたアイデアをまとめ、実際に活用できる状態にしておきましょう。
ブレーンストーミングのやり方と流れ
それでは、実際にブレーンストーミングを行うときの、やり方と流れをみていきましょう。
目的の設定
まず、ブレーンストーミングをする目的を決めましょう。
目的がないと関係のないアイデアが出てきて、最終的にまとまらなくなります。
「営業成績をあげるにはどうすれば良いか」「会社の知名度をあげるにはどうすれば良いか」などそのときの会社、組織の課題を踏まえて目的を設定すると良いです。
進行役を決める
ブレーンストーミングには、参加者全体をまとめる進行役が必要です。
進行役がいないと、どれだけたくさんアイデアが出ても最終的にアイデアをまとめられなくなります。
加えて、進行役は自由にアイデアが出されるようにブレーンストーミングを進行していく必要があるため、先ほどの4原則を意識して、進行していくことが大切です。
参加者の決定
次に、ブレーンストーミングに、誰を参加させるかを決めていきます。
参加者が少なすぎてしまうと、アイデアの多様性は生まれません。
反対に、参加者が多くなりすぎても、アイデアがまとまらなくなってしまいます。
そのため、参加者は5人程度から10数人程度が、望ましいです。
参加者は、できるだけ多様性を持たせましょう。
多様性のない集団では、どうしても考えが画一的になってしまい、ブレーンストーミングの良さが引き出せなくなってしまいます。
年齢層や男女比率、組織の上層部から下層部、その組織での担当などを考慮しながら参加者を集めましょう。
議論する時間を決める
ブレーンストーミングを行う時間を決めましょう。
時間を決めないとずるずる長引いてしまい、参加者の集中力が切れてしまい、アイデアが生まれずらくなってしまう可能性があります。
時間を決める事によって、その時間までに決めなければならないという意識が働き、集中してブレーンストーミングを行うことができます。
現状把握
最初はその会社、組織の現状を把握しましょう。
現在の状況を知ることで、そこからどのようにすればいいのかをよりリアルに考えることができます。
時間や予算、メンバーの状況、問題が起こった原因などを具体的に把握することでより充実したブレーンストーミングを行うことが可能になります。
アイデア出し
目的や制限時間、現状把握をした上で、実際にアイデアをどんどん提案していきます。
アイデア出しでは、先ほどの4原則を守ることで、より良いアイデアを出すことができます。
アイデアをまとめる
最後に、提案されたアイデアをまとめます。
それぞれのアイデアがどのような関係にあるか、実際に使えそうなアイデアはどれなのか、最終的にどのアイデアを採用するのか、最後に話し合った上でブレーンストーミングを閉じましょう。
ブレーンストーミングのメリット
ブレーンストーミングを取り入れることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ブレーンストーミングのメリットには、
・今までにない発想が生まれる
・チーム全体に連帯感が生まれる
・参加者の成長に繋がる
の3つを挙げることができます。
メリット1:今までにない発想が生まれる
最初にも書いた通り、ブレーンストーミングは今までにない新しい発想をするための手法です。
ブレーンストーミングは、新しいアイデアを生み出すためのさまざまな工夫が詰め込まれています。
もし、あなたの会社、組織でアイデアが煮詰まっているのであれば、ブレーンストーミングでアイデアを出すのも一つの手でしょう。
現状を把握してから、ブレーンストーミングを行うことで、無駄な部分や足りない部分を補うことが可能になります。
メリット2:チーム全体の連帯感が生まれる
ブレーンストーミングを行うことで、参加者の間に連帯感が生まれます。
ブレーンストーミングでは、思いついた意見を批判や否定をすることなく、次々とアイデアを提案していきます。
そのため、それぞれの参加者が課題に対して何を考えているのかを知ることができ、より参加者同士の理解を深めることに繋がります。
チームを一つにするためにもブレーンストーミングは有効です。
メリット3:参加者の成長
ブレーンストーミングを通して、参加者は成長します。
ブレーンストーミングでは、多様なさまざまなアイデアが出てきます。
それによって、自分にはなかった考えと出会うことができ、視野を広げることができ、参加者の成長を促すきっかけになります。
ブレーンストーミングで注意すること
ブレーンストーミングは、新しい発想を得る手法として有効です。
しかしながら、以下の3つに気をつけなければ、せっかく時間をとってブレーンストーミングを行っても無意味なものになってしまいます。
ブレーンストーミングの結果を活用する
ブレーンストーミングで、良いアイデアが出たとしても、実際に活用しなければ意味がありません。
ブレーンストーミングで、出てきたアイデアはまとめて、実際の会社、組織の運営で活用しましょう。
加えて、そのアイデアを採用したことにより、で会社や組織がどのように変化したかを分析し、実際に有効だったかを確かめていくことが重要です。
話の筋が外れすぎないようにする。
先ほど説明した4原則にも、あるようにブレーンストーミングでは、自由な話し合いが大切ですが、設定した目的とは、関係ない話は避けましょう。
進行者が、は話し合いが今回の目的と違う方向に外れないように、議論を適切にコントロールすることが必要です。
参加者間の関係
自由にアイデアを出し合えるように、参加者同士の関係に注意しましょう。
例えば、上司と部下が一緒に参加した場合、部下が上司に気を遣ってアイデアを出せないかもしれません。
加えて、参加者同士の仲が悪いと、ブレーンストーミングの原則に反して相手の意見を否定しようとする可能性もないとは言いきれません。
参加者は、全員が自由にアイデアを出し合えるように決めましょう。
ブレーンストーミングとKJ法
ブレーンストーミングを、うまく進めるために、KJ法を同時に利用することもあります。
KJ方とは、提案されたアイデアをそれぞれカードに記入し、アイデアをグループ化、そして論理的にまとめる方法です。
ブレーンストーミングでは、多様なアイデアが出て、普通にまとめるのは大変ですが、KJ法などをうまく使うことで、アイデアをまとめやすくなります。
まとめ
ブレーンストーミングは、何か特定の目的にそって議論をする際に、効率的にアイデア出しができる素晴らしい手法です。
一方で、ブレーンストーミングの原則や注意点を知らなければ、せっかくメンバーを集めて開催しても、時間が無駄になってしまう可能性もあります。
ブレーンストーミングの特徴を適切に理解し会社、組織の運営の改善を目指しましょう。