バンドワゴン効果という言葉を知っている人、知らない人がいると思います。
バンドワゴンとは、パレードなどで先頭を行く、楽隊車の事をいいます。
ここから、「バンドワゴンに乗る」というと、時流に乗る、勝ち馬に乗るといった、プラスの意味を持ちます。
今回は、「バンドワゴン効果」とは、どんな効果なのかを解説していきます。
バンドワゴン効果とは
バンドワゴン効果とは、行動心理学の一つで、多数ある選択肢のなかで、より良いと思うものを選択する行動が、選択する人の行動をさらに増大させる効果の事をいいます。
具体的には、「みんなやってる!良かった!」や「友だちみんな持ってるから、欲しい!」という購買意欲の事をバンドワゴン効果といいます。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果、スノッブ効果の違い
バンドワゴン効果と反対の意味を持つ行動心理学に、アンダードッグ効果とスノッブ効果というものがあります。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果との違い
アンダードッグ効果とは、負け犬効果ともいわれている言葉で、弱い立場や不利な状況に対して、同情が集まり、結果的に良い方向転換が起こるという現象のことをいいます。
選挙を例にすると、落選確実といわれる人が、一人黙々と選挙活動をしていたとします。
その選挙をしている姿が、有権者の同情心を誘ったことで、結果的に多くの票を得ることができ、当選するというのが、アンダードッグ効果です。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果は、真逆の心理効果を持ちますので、混在しないように注意しましょう。
バンドワゴン効果とスノッブ効果との違い
スノッブ効果とは、注目が集まると需要が増大するバンドワゴン効果とは、反対に、注目度が高まると、需要が低くなってしまう効果のことを指します。
世の中に、類似しているサービスや製品が増えると、別の商品に興味が向いてしまうことで、スノッブ効果が起こります。
例えば、旅行先でその土地でしか買えないものがあると買ってしまうという人も少なくないのではないでしょうか。
このような、期間限定や地域限定、数量限定という希少性が高い商品が、高い販売数を誇っているのは、スノッブ効果が働いているためだといえます。
バンドワゴン効果の具体的な事例
バンドワゴン効果の事例として、
・広告のキャッチコピー
・投資
・SNS
などといったものが挙げられます。
それぞれ、具体的に解説していきます。
事例1:広告のキャッチコピーでのバンドワゴン効果
「売り上げNO.1!」や「注目度業界1位」といった、広告のキャッチコピーを目にしたことがある人も、少なくないのではないでしょうか。
これらのキャッチコピーは、商品やサービスがいかに人気があるかを表し、目にすると手に取ってしまうということもあると思います。
この行動心理こそが、バンドワゴン効果で、他の利用者の行動を可視化することに繋がっていきます。
広告のキャッチコピーは、一番身近にあるバンドワゴン効果の代表例といえます。
事例2:選挙でのバンドワゴン効果
政治や選挙活動においても、バンドワゴン効果を活用することができます。
選挙では、立候補者の予想投票数が開示されますが、その票数を見て多くの票が集まっている候補者に投票しようという心理が働きます。
というのも、多数の票が集まっているということは、多くの人々に注目されている、評価されている人物なのではないかという考えに至ります。
特に、無所属派など、決まった支持者がいない人は、多くの人々が投票している人にm投票しようという心理が働きやすい傾向にあります。
街頭演説で、多くの人が立ち止まって演説を聞いていると、立ち止まって聞いてみようという心理が働き、聴衆が増えていきますが、これもバンドワゴン効果です。
事例3:SNSにおけるバンドワゴン効果
SNS上で、インフルエンサーという言葉を聞いたことがある人も多くいると思いますが、インフルエンサーとは、フォロワーが多く、影響力を持っている人のことを指します。
インフルエンサーを活用したマーケティングの方法を、インフルエンサーマーケティングといいます。
インフルエンサーが紹介したものは、「影響力のある人が発信しているから、良さそう」といった、心理が働きやすく、売り上げが伸びやすくなっていきます。
自分がフォローしていないアカウントだったとしても、多くのいいねなどがついていると、興味が湧くといった人が多くいるのではないでしょうか。
昨今では、SNSを活用して情報収集する人が多くなっているため、バンドワゴン効果を上手く活用することによって、効率の良い宣伝が可能になります。
バンドワゴン効果をマーケティングに利用するときの注意点
バンドワゴン効果は、利用者に対して、「みんな使っている」「人気がある」と思わせる手法です。
しかしながら、伝え方に注意が必要であるということを忘れてはいけません。
特に、広告のキャッチコピーでは、過剰な訴求にならないようにしなければなりません。
自社に都合のいい、調査を行い「業界シェア率NO.1」などと表示をすると、措置命令が景品表示法の観点から、下される可能性があります。
「業界シェア率NO.1」ということを、伝えるためには、合理的且つ客観的なエビデンスが、必要となります。
顧客満足度などの調査をする際には、第三者であるリサーチ会社に調査を依頼すると、客観的なデータを得ることができます。
まとめ
バンドワゴン効果は、日常生活に深く関わりのある行動心理学です。
上手く活用することで、多くの利用者を獲得することができる反面、伝え方を間違えると措置命令が下されてしまうこともあるため、バンドワゴン効果を、マーケティングに利用する際には、客観的で合理的な伝え方をするように注意が必要です。
ぜひ、バンドワゴン効果を活用して、自社の強みを発信していきましょう。