ウォンツ・ニーズ・シーズとは?その他の志向との違いも併せて解説!

皆さん、「ウォンツ・ニーズ・シーズ」という言葉をご存知でしょうか。

言葉は耳にしたことがあるけれど、一体どういう意味を表すのか分らない、という方も多いのではないでしょうか。

これらはマーケティングにおける用語の一種であり、消費者の心情を表す言葉や生産者視点での考えを表したマーケティング用語です。

この記事では、ウォンツ・ニーズ・シーズの意味と違い、ニーズ志向・シーズ志向の違い、またマーケティング戦略の際の重要な考え方について解説します。

ウォンツ・ニーズ・シーズとは

ウォンツ・ニーズ・シーズとは、以上の言葉から成り立つマーケティング用語です。

○ウォンツ(wants)

ある商品・サービスを顧客が「欲しい」と考えている状態

○ニーズ(needs)

潜在的な顧客の欲求や要求

○シーズ(seeds)

商品・サービス開発の基盤となる企業独自の技術やノウハウ等ビジネスの種になるもの

こちらを1つずつ解説していきます。

ウォンツ(wants)

まずはじめは「ウォンツ」です。

語源は英語の「want」から来ております。

Wantは、欲する、〜が欲しい、〜を望む、〜がしたいといった意味を持ちます。

英語の意味通り、ウォンツという意味は「自分自身の欲求」を表します。

また、何かが「欲しい」という欲求は自分が明確に理解している欲求、つまり顕在的な欲求になることがわかります。

例えば、自分の家事の手間を少なくするために「ロボット掃除機」が欲しいと考えたとします。

この場合、「ロボット掃除機」という欲しいものが明確な状態です。

このような自分自身の明確な欲求のことを「ウォンツ」といいます。

ニーズ(needs)

次に「ニーズ」です。

語源は、こちらも英語の「needs」から来ています。

Needは、必要、要求、必要なものなどの意味を持ちます。

上記のことからウォンツの持っている欲求とほぼ一緒の意味に捉えることも可能なので何が違うの?と混乱する方もいるかもしれません。

しかし、ニーズは必要なものでまだ具体的に買いたいと感じる明確な商品・サービスが決まっていない状態になるので、潜在的な欲求にあたります。

「自分の家事の手間を少なくしたい」という潜在的な欲求はあるものの、ではそのために自分には何が必要かというところまで考えていない状態になります。

加えて、ニーズは消費者の年齢や性別、商品の利用シーンなどによっても変化します。

シーズ(seeds)

次に「シーズ」です。

英語の「seeds」を語源とする、言葉です。

Seedの意味は、種、種子、根源といったものです。

こちらも英語の意味通り、ビジネスの元となる意味があることがわかりました。

シーズの代表的な商品として有名なのが皆さんご存知の「iPhone」が挙げられます。

スマートフォンという画面をタッチして操作する携帯は、iPhoneが発売されるまで存在しませんでした。

iPhoneは、画面をタッチして操作するスマートフォンの先駆けといえます。

上記のことを踏まえると、シーズというのは企業が自社の技術やアイデアを元に、新しい商品やサービスを生み出して市場を新たに作っていくものになります。

「ウォンツ・ニーズ・シーズ」の違い

この三つの言葉は語源は英語なのですが、考え方としてはウォンツ、ニーズは「消費者」視点、シーズは「生産者」視点で考える必要があります。

上記のことを踏まえて「ウォンツ」「ニーズ」を消費者視点で考えると、まずは自分の潜在的な要求を考えてから具体的な欲しいものを考えることがわかります。

そのため、消費者がものを買うまでのイメージとしてはニーズ→ウォンツの順番に消費者は潜在的な自分の要求のもと、自分の買いたいものを絞りこむイメージになります。

また「シーズ」を生産者視点で考えると、企業の基盤となるビジネスから発想を得て新しい市場を開拓していくという考え方で特にウォンツ、ニーズとは大きく考え方が異なります。

ニーズ志向とシーズ志向の違い

ここまでウォンツ・ニーズ・シーズの違いについて説明してきましたが、ここからはニーズ志向とシーズ志向の違いについて説明していきます。

ニーズ志向とは、「消費者視点」の考え方でシーズ志向とは「生産者視点」の考え方になります。

ニーズ志向とは

ニーズ志向とは、消費者が求めているものや既に顕在的なニーズを追求して商品・サービスを作ることです。

代表的なものとしては、車やスマートフォン、タブレット端末が挙げられます。

これらは、商品のベースがある状態なので市場に参入しやすいのと、一度買った商品を一生使用できるわけではなく、買い替え等が必要になるため、顧客からの需要が途切れないというのが大きな特徴です。

シーズ志向とは

一方で、シーズ志向とは、企業が自社の技術やアイデアを元に、新しい商品やサービスを生み出して市場を新たに作っていくことです。

代表的なものとしては、iPhoneや自動操縦車等が挙げられます。

これらの製品は、類似品のない革新的な商品として市場に売り出され、顧客に受け入れられることでヒットしました。

自動操縦車は、今まで見たことがない革新的なもので、多くの人に注目されています。

そのため、多くの企業が自動操縦車の開発を行い、他にはない自動操縦車を生み出そうとしています。

マーケティング戦略の際に重要な考えは?

さて、マーケティング戦略を立てる際に重要な考え方には、「ニーズ志向」と「シーズ志向」が特に重要です。

例えば、マーケットを独占できるような新しい独自の商品やサービスを生み出すには、シーズ志向による開発が必要となります。

しかし、あまりにも消費者のニーズとかけ離れた商品・サービスではヒット商品を生み出すことは不可能です。

つまり、シーズ志向だけで生み出した商品やサービスから消費者のニーズを掴むことは難しく、シーズ志向から売れる商品やサービスを生み出すには、マーケットを調査して、潜在的なニーズを知ることが大切です。

その一方で、マーケットの調査を重視しすぎると、既に市場には似たような商品やサービスがあることもあります。

このことから、マーケット調査は大切だが、重視しすぎないことがシーズ志向では大切だということがわかります。

類似品が数多くあるマーケットでは、マーケット調査によって多様化する消費者ニーズを掘り下げ、ニーズに合う商品やサービスを生み出してタイミング良く提供するというニーズ志向によるマーケティング戦略が効果的です。

ニーズ志向でビジネスをすすめる場合、既存の商品やサービスと似て異なるものを生み出すアイデア力が特に重要となります。

まとめ

ウォンツ・ニーズ・シーズの違いとニーズ志向・シーズ志向について、マーケット戦略に重要な考え方についてまとめてみました。

いかがだったでしょうか?

同じ英語の語源からくるマーケティング用語だったものの、消費者・生産者視点に見方を変えるだけで意味は大きく異なります。

加えて、ヒットする商品・サービスを開発したいのであれば、消費者のニーズを考えることはもちろん、マーケット調査に加えて独自の発想やアイデアを加えていき新しい市場を開拓する必要があります。

どれだけ視野を広くして物事を見ることができるかがより重要になっていきます。

言葉の違いを理解して是非ビジネスシーンで役立てていきましょう。

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