大注目のメタバースとは?注目されている背景と活用例や注意点を併せて解説!

最近よく耳にする「メタバース」という言葉を知っていますか?

メタバースは、metaが1兆円規模の投資を行ったことで、その注目度は加速しました。

加えて、多くの企業がメタバースの市場に新しい価値を見出しており、ビジネスチャンスを期待しています。

このように注目されているメタバースですが、実際はどのようなものなのでしょうか?

今回は、

  • メタバースの概要
  • メタバースとVRの違い
  • メタバースが注目されている理由
  • メタバースに秘められた可能性
  • メタバースが抱える課題
  • メタバースの活用例
  • メタバースを活用する上での注意点

について、ご紹介します!

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メタバースとは

メタバースとは

「メタバース」とは、ギリシャ語で「超越した」という意味を持つ『メタ(meta)』と「世界」という意味を持つ『バース(verse)』という言葉を組み合わせた言葉です。

「メタバース」は、一般的にインターネット上に構築された仮想空間で、自分のオリジナルキャラクター(通称:アバター)を介して仕事をしたり、遊びを行ったりできるサービスのことを指します。

「一般的に」と表現しているのは、実はメタバースの定義はまだ定まっておらず、概念が広いため、一概に「これがメタバースである」というように断言することはできません。

加えて、仮想空間と表現していますが、人によっては、多くの人が参加して構成される現実世界のゲームのことを「メタバース」と呼ぶこともあります。

仮想空間で行うサービスがメタバースであるという決まりは、現時点では存在しませんが、今後メタバースが目指す未来がはっきりと定まってくれば、定義が決まってくるかもしれませんね。

メタバースとVRの違い

メタバースに似た言葉に「VR」というものがあります。

メタバースは、仮想空間上に存在するサービスであるため、VRと同じものなのではと思う方もいるかもしれません。

しかしながら、VRとは「Virtual Reality(仮想現実)」のことを指し、仮想空間上で現実に非常に近い、より立体的な体験をすることができるサービスのことを言います。

加えて、VR機器を使用して、自分の目で体験をするVRの特徴として、1人で体験できることや一人でも楽しめるというものが挙げられます。

一方で、メタバースは、仮想空間でアバターを作り出して、他社と交流することをメインとしたサービスです。

もちろん、メタバースにも、VRと同様に1人でも楽しめる要素はありますが、大勢での仮想空間上でコミュニケーションをとることを目的としているため、VRとは異なります。

VRの技術をメタバースに取り入れることで、より具体的な世界を作り出すことができ、コミュニケーションを円滑に取ることが可能になります。

メタバースが注目されている要因

メタバースが注目されている要因

メタバースは2021年後半から急速に注目され始めました。

では、なぜこんなにも注目されているのでしょうか?

その要因として、

  • IT技術の発展
  • コロナ禍によるビジネスチャンスの到来

の2点が挙げられます。

IT技術の発展

メタバースが、注目されるようになった大きな要因の一つに挙げられるのが、IT技術の発展です。

IT技術が発展したことによって、VR技術を筆頭にARやMRといった技術の発達が加速したり、5Gの導入でインターネット回線の速度が高速になりました。

そして、技術の発展や回線速度が高速になったことで、インターネットを使用するメタバースにより簡単に、アクセスすることが可能になりました。

加えて、インターネットに気軽にアクセスできるようになったことで、メタバースに興味を持つ消費者も増加しつつあります。

その他には、NFTの出現もメタバースへ注目を集める要因になっています。

NFTとは、「非代替性トークン」と言われており、インターネット上で作成した絵画などのデジタル資産を唯一無二のものである証明できる技術のため利用されています。

デジタル資産とは言っても、ビットコインやドル紙幣といった、同じ価値を全ての資産がもつ「代替可能資産」と言われるものではなく、それぞれが個別の価値を持つ資産のことを指します。

個別の価値を持つ資産であることで、美術品や録音した物、仮想空間に存在する不動産などのデジタル資産を所有する権限を認証するために用いられているのです。

このNFTの登場により、デジタル資産のコピー品作成が難しくなったため、希少性の担保が可能となり仮想空間での販売するハードルが劇的に下がりました。

コロナ禍によるビジネスチャンスの誕生

新型コロナウイルスが流行したことによって、在宅ワークが普及したことも大きな要因と言えます。

在宅ワークによって、人と交流する機会が減ってしまったことは、多くの企業にとって大きな打撃と言えます。

特に営業職の社員にとっては「交渉しようにも、メッセージや電話、zoomだと上手く感情が読み取れない」という悩みを持った人は多いのではないでしょうか。

そこで、企業は、仮想空間上にコミュニケーションを行う場を設けて、リアルに対面で交渉する空間を作り出したのです。

加えて、NFTの登場によってデジタル資産の安全性が向上し、いままで商品の販売に踏み切れなかった業界などが販売ルートを広げることが可能になり、新たな商品の販売ルートとしてメタバースが注目されています。

メタバースがに秘められた可能性

メタバースに秘められた可能性

大注目のメタバースですが、どのような可能性を秘めているのでしょうか?

メタバースの普及によって実現可能になることは、

  • 世界中の人々と交流が可能となる
  • 店舗に行かずに自分に合った商品の購入ができる

の2点が挙げられます。

世界中の人々と交流が可能となる

メタバースは、インターネット上に存在する仮想空間です。

そのため、インターネット環境とVRゴーグルがあれば、いつどこにいても、参加することができます。

具体的には、場所や日時を選ばないため、世界中の人がインターネットを介してつながることで、交流が容易に行えます。

現時点では、メタバースはゲームでの活用が大きいため、ゲーマー達の交流場所としてのイメージが強いです。

しかしながら、最近はメタバース内で音楽ライブを行うアーティストや公園や街並みの再現を行うなど、現実世界に近い街並みや体験を提供する動きが活発になっています。

現実に近い世界になることで、特定地域だけでなく、世界中からメタバースに参加する人が増えて、日本にいながら、海外にいる友人などと容易にコミュニケーションを取ることができます。

店舗に行かずに自分に合った商品の購入が可能となる

メタバースでは、アバターを操作して仮想空間で交流を行います。

アバターは、自分の特徴などをより忠実に反映することができるため、本当に実物がいるように会話を行うことが可能です。

自分の特徴を反映させたアバターで衣服を試着して、サイズが合いそうなら購入、合わなければ別のサイズを試すということもインターネット上で行うことができるでしょう。

インターネット通販で洋服を買った場合には、大体のサイズは分かっても実際に来てみるまで、サイズが明確にはならず、家に届いて実際に着てみたらサイズが大きかったということもあると思います。

しかしながら、メタバースでアバターに自身の身長や体重を反映できれば、仮想空間内の店舗で購入した商品は、現実世界で実際に着用してもズレが少なくなります。

このように店舗に行かずに試着して、購入までが行えるかもしれません。

メタバースが抱える課題

メタバースが抱える課題

世界を変えてしまいそうなくらいの可能性を持ったメタバースですが、比較的新しい概念のため、課題は山積みです。

そのなかでも大きな課題として、

  • メタバース上の法整備
  • VR機器の普及

の2点が挙げられます。

メタバース内の法整備

新しい概念であるメタバースには、法整備やルールの策定が追いついていないのが現状です。

現在の法律やルールは現実世界に存在しているモノに対して定められており、所有権も実在するモノにのみ適用されています。

そのため、メタバースのような仮想空間上での取引やモノを対象としておらず、仮想空間上で取引に関する問題が発生しても現時点では適用できる法律やルールがなく、安全性に欠けています。

しかしながら、その問題を解決するために2021年に「バーチャルコンソーシアム」という、仮想空間上での法整備や商取引ルールを定めて、メタバース運営の安全性を測る団体が発足しました。

「バーチャルコンソーシアム」とは、渋谷区公認のプラットフォームである「バーチャル渋谷」の運営に基づいて、情報の発信やガイドラインの策定などを行う組織のことを言います。

「バーチャルコンソーシアム」では、様々な知見をもとにして、新規ビジネスや情報開発、モデル展開などの日本発のメタバースの発展のために、議論や調査、研究をオープンに行っていきます。

加えて「バーチャル渋谷」とは、KDDIや渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会などの多くの企業が参画した自治体公認の都市連携型メタバースです。

「バーチャル渋谷」では、主に有名なキャラクターと自分自身のアバターを一緒に渋谷の町を歩かせることができ、記念撮影も行えるという日本初のプロジェクトです。

この「バーチャル渋谷」という、都市連携型メタバースが作られたことによって、ガイドラインや法律が策定されることとなりました。

VR機器の普及

仮想空間をよりリアルに体験するためには、VR機器が欠かせません。

しかしながら、現状のVR機器の普及率は高くなく、機器自体もスマートフォンと比較すると持ち運びには不向きであると同時に、VR機器は現状高額であるため手にできる人が限られています。

具体的には、Metaが2022年5月から販売している最新モデル「Meta Quest 2」の価格は、128GBで37,180円(税込み)、256GBで49,280円(税込み)と決して安いものとは言えません。

加えて、VR機器は、スマートフォンやパソコンのように、日常生活に必要なものとは言えず、一部の人しか保有していないという問題もあります。

このような問題を解決して、いかにVR機器を普及させるかがメタバース拡大のカギになっていきます。

メタバースの活用例

メタバースの活用例として代表的なものには、

  • イベント・交流会
  • 住宅展示場
  • バーチャルストア・バーチャルマーケット
  • 教育・トレーニング

といったものがあります。

イベント・交流会

イベントや交流会は、一般の消費者に向けたビジネス(B to C)や法人に向けたビジネス(B to B)に関わらず、最も多くの企業がメタバースを活用して行うことができます。

「採用活動における会社説明会やイベント」「ユーザーが参加できる交流イベント」など、様々なものがあります。

2022年5月には、日産自動車がメタバースを活用して、メタバース上で新車の発表会を行っています。

この新車発表会では、アバターとなった副社長や社員・従業員が登壇し、参加者に向けたプレゼンテーションを行っただけでなく、メタバース上で試乗体験も行いました。

日産自動車が行った、メタバース上での新車発表会についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

https://www.moguravr.com/nissan-sakura-metaverse-presentation/embed/#?secret=owNdp5g1qX#?secret=dLzhtvxr0f

「双方向のコミュニケーションが取りやすい」という特徴を持つメタバースが有効的な場面として、参加者側と主催者側が自由に会話を交わす形式のイベントが挙げられます。

一方で、主催者側が一方的に情報を提供するイベントでは、ZOOMといったweb会議システムの方が、適していると言えます。

そのため、双方向のコミュニケーションを重視するのか、反対に、コミュニケーションを取ることではなく情報を提供することに重きを置くのかによって、用いられるツールは異なります。

メタバースとWeb会議システム、双方の良さを理解し、役立てていきましょう。

住宅展示場

次に、メタバースが活用されるものとして住宅展示場が挙げられます。

住宅展示場とは、お客様が気になった物件の内装を見ることができるサービスです。

新型コロナウイルスが蔓延したことにより、対面での内見ができないから引っ越しができなかったという方は多いのではないでしょうか。

そのように、お客様のニーズに合わせて、メタバース上に住宅展示場を設置する企業も多くあります。

メタバース上に住宅展示場を設置するメリットとして、お客様が家にいても内見できるというだけではありません。

企業側にとっても、どうしても莫大になってしまう初期費用や維持費といった費用も節約することができるというメリットがあります。

加えて、大和ハウスでは、メタバース上で住宅を見学できるだけでなく、社員に質問や相談ができるサービス「LiveStyle PARTNER」を公開しました。

バーチャルストア・バーチャルマーケット

大型百貨店が、メタバース上にバーチャルストア・バーチャルマーケットをオープンといったニュースを耳にした人は、多いのではないでしょうか。

バーチャルストアやバーチャルマーケットは、通常のネットショッピングとは異なり、店員からの接客も受けることができるという特徴があります。

メタバースといった仮想空間上に、店舗やマーケットを作り、商品やサービスの販売に繋げることができることもメタバースを活用するメリットです。

松屋銀座や三越伊勢丹といった多くの百貨店がバーチャルストアを活用しています。

新型コロナウイルスが流行してから、来店顧客数減少に悩んできた小売業関係者の方も多いと思います。

しかしながら、バーチャルストアを活用することによって、対面で接客することなく商品やサービスの販売を行うことができ、消費者にとっても安心材料になっています。

加えて、バーチャル内で友人と待ち合わせをし、一緒に買い物ができるという点や販売スタッフに相談しながら買い物ができるという点も大きな魅力です。

教育

教育現場でもメタバースは、活用されています。

従来学校現場では、教員が一方的に話し、生徒はただ黙って聞いているだけという教育方法が主流でした。

この教育方法では、集中力の低下だけでなく、積極性も低下してしまうという悪循環に陥ってしまいます。

しかしながら、バーチャル空間であれば、より生徒が主体的に授業に参加することが可能になります。

例えば、通信制の高校である『学校法人 角川ドワンゴ学園』では、一部の授業をバーチャル空間で行っています。

加えて、企業の研修でも、メタバースを活用することによって、よりリアルな体験をすることができ、これから先自身が行う業務のイメージを持ちやすくなります。

メタバースが活用される研修では、主に現実では簡単に行うことが難しい危険な行為について学ぶことが可能です。

「製造業において、衣服が巻き込まれてしまったことによって起きる事故」や「工事現場で高所からの転落事故」などを新入社員に、リアルで体験させることはできません。

しかしながら、メタバース上であれば、これらの危険なことも安心して体験することができ、危機感をもって作業に挑むことができます。

メタバースを活用する上での注意点

企業が、メタバースを活用する上で、注意するべき点が4つあります。

  • 個人情報、企業の機密性の高い情報の流出
  • デジタルアセットの盗難やウォレットのハッキング
  • メタバース情報の改ざんやハッキング
  • 匿名性を悪用した詐欺などの犯罪リスク

これらを注意して進めなければ、メタバースの効果を得ることができません。

個人情報、企業の機密性の高い情報の流出

一つ目の注意点が、個人情報や機密情報の流出です。

インターネット上に繰り広げられるメタバースは、悪意のあるハッカーに日々狙われています。

メタバース空間のセキュリティーの弱い箇所を狙って、メタバースに関係する個人や企業の機密情報をハッキングされてしまう恐れがあります。

加えて、メタバース上で行った活動の履歴は、他のWebサービス上での活動データより、重要であると考えられる可能性もあるでしょう。

もし仮に、重要なデータで無かったとしても、メタバース上のデータを盗まれてしまうことは、個人にはもちろん企業にも大きな損害を及ぼすと考えられます。

デジタルアセットの盗難やウォレットのハッキング

2つ目はデジタルアセットの盗難やウォレットのハッキングです。

デジタルアセットとは、メタバース空間で利用されているアバターや服やアクセサリーといったファッションアイテム、土地のことを指しています。

これらのデジタルアセットは、NFTを利用して今後取引が行われていくと考えられます。

反対に、暗号資産やデジタルアセットに使われるウォレットがハッキングされるリスクに晒されるでしょう。

2018年には、暗号資産取引所である「coin check」がハッキングされてしまい、総額で約580億円相当の仮想通貨が流出してしまったという事件を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

たった一度のハッキングによる情報流出であっても、信用問題に関わる大きな問題です。

メタバース情報の改ざんやハッキング

3つ目は、メタバース情報の改ざんやハッキングです。

「個人情報や機密情報の流出」でもお話しましたが、メタバースのセキュリティーの弱い部分を狙って攻撃してくる悪意のあるハッカーは多数存在します。

情報の流出だけでなく、メタバース情報の改ざんやハッキングをするハッカーもいると言うことです。

メタバースが、今よりもっと深く日常生活に根付き、様々な活動がされていけばいくほど、被害受ける個人や企業の数は図りしれません。

匿名性を悪用した詐欺などの犯罪リスク

4つ目は匿名性を悪用した詐欺などの犯罪リスクです。

メタバースでは、見た目や名前だけでなく、性別など全てのプロフィールを設定することができます。

そのため、現実世界とは違った人格で、一目を気にすることなくショッピングなど様々な活動をすることが可能です。

自由にプロフィールを設定することができるというのは、反対に悪意のあるユーザーが現実の姿とは違う姿で匿名のアバターを作り出し、詐欺犯罪を起こすこともあります。

現実世界では「男性」なのに、メタバース空間上では「女性」になりきるという人がいないとは限りません。

もちろん、何も悪意を持たないユーザーが、現実世界と異なる性別を選択することもありますが、それを確かめる方法を、メタバースを利用する他のユーザーは持っていません。

まとめ

メタバースは、仮想空間でコミュニケーションを取ることを可能にするものです。

新たなビジネスチャンスとしても注目されており、企業の新規参入によってメタバースは今後ますます拡大して行くことが予想されます。

しかしながら、それにともなう法整備やVR機器の普及をいかに行うかが拡大のカギです。

この問題を乗り越えた時、メタバースは爆発的に広まることが予想されます。

加えて、新型コロナウイルスの流行によって大きく変わった、消費者の生活に寄り添っていくものでしょう。

注意点をしっかり理解し、誰もが安全に活用することができるメタバース空間を作り出していきましょう。

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