近年のデジタル化に伴い企業のホームページはインターネット上の名刺のような役割をも担うようになっています。
多くの企業がホームページを用いてリード獲得であったり、注文の問い合わせを行っている中でホームページによる企業のブランディングは必須事項になっています。
今回は「うちのホームページもそろそろリニューアルしたい」「ホームページ製作を検討している」方には超有益な情報になっているのでぜひ目を通してみてください!
また、この記事では、「そもそもブランディングとは?」というところから詳しく解説していくので「ブランディングなんて知らん!」と切り捨てずに読んでみてください!
ブランディングとは?
ブランディングというのは、顧客に「ブランド=企業・サービス・製品」に対して何らかの価値を認知してもらうために行う企業や組織の戦略的な活動です。
もっと簡単に言うとブランディングというのはその企業や組織の「ファン作り」です。
例えば、多くの人が手にしている「iphone」。
毎年9月に新商品が発表されれば、いち早く商品を手に取ろうと前日から店舗に並ぶ人がいるほどの人気です。
この新商品の発表を前日から待ち望んでる人がまさに「ファン」と言えるでしょう。
では、なぜ、このファンは発表前日から店舗で商品を待ち望んでいるのでしょうか?
本当に新商品が欲しいからでしょうか?
そんなことはありません。
もし仮に「新商品であるから」という理由だけで前日から列を成しているのであれば、日本中、ほぼ毎日どこかしらの店舗で列を成していることになってしまいます。
ここで重要なのは「Appleの」新商品であるということです。
Appleによって考え抜かれた洗練されたデザイン、担保される品質、そこに絶対的な「信頼」、つまり「Appleが制作したものは絶対に良いものだ!」と顧客が思っているからこそ、「他の誰よりもいち早く手にしたい」という思いを駆り立て「発売前日に夜通し並ぶ」という行動を生んでいます。
この「〇〇の作ったものは良いもの・美味しいもの・お洒落である」と「信頼」し、「ファン」になってもらうことが「ブランディング」です。
ブランディングに成功すれば、「その商品の〇〇がいいから」だけでなく「〇〇が作っているから」と企業自体が顧客が購入するときの理由になり、自社の人気商品以外の商品が売れたり、他社からの仕事の受注率が上昇したりと効果は計り知れません。
またブランディングを成功させるには顧客と企業のあらゆる接点で施策が必要になっていきます。
ブランディングサイトについて
ブランディングサイトとは?
ブランディングサイトというのは、顧客に企業が意図したブランドイメージ(例:Apple=洗練されたデザイン、スマート、高級感がある)を浸透・認知してもらうために制作するものです。商品やサービスの詳細を詳しく説明するというよりも写真・画像を用いてビジュアル的に顧客に訴求し、ブランドの空気感を感じてもらうことを目的として制作されます。
ブランディングサイトとコーポレートサイトの違い
自社で既にホームページをお持ちの方の中には、「うちはホームページもあるし、そこから問い合わせも来てるから、ブランディングも大丈夫」と考えている方はいらっしゃいませんか?
しかし、実際はコーポレートサイトとブランディングサイトには大きく違いがあります。
ブランディングサイトの目的は先述した通り顧客に企業が意図したブランドイメージ(例:Apple=洗練されたデザイン、スマート、高級感がある)を浸透・認知してもらうことが目的です。
コーポレートサイトの目的は、「どのような企業であるか」を伝えることが目的になっていて掲載される内容自体も、ビジュアルによってイメージを伝えるブランディングサイトとは異なり、企業の理念や業務・事業内容、役員名などのいわゆる会社情報が掲載されます。
具体例を挙げると下記のように(→参考https://innova-jp.com/branding-site/)同じ企業でも企業の紹介を目的としたコーポレートサイトなのか、企業のブランドイメージを浸透させるためのものなのかでサイトのビジュアルから大きく変わっていきます。
ブランディングサイトの役割
他社との差別化
ブランディングサイトの最も大きな役割は、他社との差別化です。
他社との差別化ができていないと顧客の視点に立った時に「同じ質のものを買うのであればより安いものの方が良い」という考えが働くため、価格競争に陥ってしまいます。
また、他社とはどのように違い自社でしか体験することができないような価値を持っていたとしても顧客に伝わらなければそれは差別化したことにはなりません。
ブランディングサイトは他社と差別すべきことをいかにわかりやすく「伝える」ことが重要になっていきます。
ブランドの認知
「あんな商品が欲しい」という潜在的な顧客に対して、インターネット・SNS等の強い情報拡散力を用いて、検索されることでの流入を狙って、ブランディングサイトによって「ブランドの認知」がされれば、商品の購入に繋がります。
商品・サービスを知ってもらう「入口」になる
検索によって流入する顧客や直接、自社の商品を購入したいと考える顧客にとって初めて見るサイトにもなりやすいブランディングサイトは、同時にサイト内の他のサービスや商品を知ってもらう「入口(きっかけ)」にもなります。
その役割を意識して、顧客にスムーズに商品・サービスの詳細サイトに行けるような動線づくりが重要になっていきます。
WEBサイトでの購入促進
ブランディングサイトでは、自社の商品やサービスを知ってもらうきっかけになるWEBサイトです。
そこで顧客が商品やサービスを体験し、購入したいと感じていただけた時にECサイトにうまく誘導することができれば、そのまま購入していただくこともできます。
それはもはや、企業の売上に直結する問題です。
ブランディングサイトの主な目的は、企業のブランド(=企業・サービス・製品)を浸透させることですが、それ以外にも他ページや自社のECサイトに誘導させるなど、自社のインターネット上での売上に直結する重要な役割を持っています。
ブランディングサイトを設計する際には、目的がブランドの認知以外に何があるのかを明確化した上で、その目的が達成されるような動線作りが必要となってきます。
ブランディングサイトのメリット
受注・注文の安定
企業の売上の8割はその企業のリピーター(自社のサービスを二回以上利用してくれる顧客のこと)が占めていると言われている中で、いかにリピーターを増やすか、逃さないようにするかということはどの企業も施策を張り巡らしている部分になります。
リピーターの囲い込むにはもちろん、商品・サービスの質を向上し続けるということも大事ですが、そのサービスに触れる際に顧客の手を煩わせてしまっているところを改善して、顧客が商品を体験しやすくする、距離を縮めるということも大事な施策になっていきます。
その施策はもちろんブランディングサイトにも当てはまります。
例えば、自社のサイトで以下のような状態にはなっていませんか?
・お問い合わせフォームは、複雑なものになっていないか?
・専門用語ばかりで、顧客に商品のサービスが伝わっていないことはないか?
ブランディングサイトから商品・サービスの購入に至る際の流れが悪いと、せっかくWEBサイトまで訪れてくれた顧客が離れてしまいます。
そういった小さなところでも、改善することで顧客の離脱率が減らすことができるので、自社で検討してみてはいかがでしょうか?
価格競争の回避
自社の商品・サービスをブランディングサイト等を用いて、差別化することができれば、同業他社との価格競争から回避することができます。
顧客は「より良いものをより安く」と考えている以上、商品・サービスの差別化ができなければ自然と薄利多売に陥ってしまいます。
その状況に陥ると、結果的に生産コストを安く抑えることが大きな企業や、技術革新による変化と戦うことになり、中小企業や伝統ある企業に取って厳しい戦いを強いられることになります。
そうならないようにするためにも、ブランディングサイト等を通じて、商品・サービス、企業のコンセプトを伝えることで価格以外の価値を顧客に認知してもらう必要があります。
採用コストの削減
ブランディングサイトに訪れるのは、何も企業の商品・サービスを購入したいと考えている人に限りません。
純粋にその企業のことを知りたいと考えている顧客も必ずいます。
そういった顧客にブランディングサイトを通じて自社の理念やサービスを伝えることで、顧客の中にその商品・サービスの制作に携わりたいと考えてくれる人を増やすことができれば、顧客から自社への求職者として訪れてくれることもあるでしょう。
その求職者は、人材派遣会社から紹介してやってくる求職者よりも、自社のサービスや理念を理解して応募してきているので、実務とのミスマッチを少なくして雇用することが可能になり、より長い期間、会社に勤めてくれることも見込めるでしょう。
また、人材紹介会社に高い費用を払って、雇用したのにすぐにやめてしまったということも防ぐことができ、採用コストの削減につながるでしょう。
宣伝コストを下げられる
ブランディングサイトは一度構築して、検索された時に上位に表示することができれば、定期的にメンテナンスを行うことで低コストで安定した集客を見込むことができます。
宣伝コストを抑えることができれば、自社の新たなサービス・商品につなげることも可能になるでしょう。
そういった好循環を生むためにも、成果が短期的に見えやすい課金型の広告に依存するのではなく、同時並行で、長期的な成果が見込めるものにも着手することが重要です。
幅広い顧客に認知してもらうことができる
一度、ブランディングサイトとしてWEB上に公開されれば、世界中の人がそのサイトにアクセスすることが可能になります。その規模は、電車の中の吊り革広告や、テレビのCM以上の人々に企業の情報を届けることができます。
また、テレビ広告や電車の吊り革広告は、目にする人が自分の意思でその広告を見ようとしているわけではなく、あくまで受け身な広告です。
一方で、WEBサイトにはほとんどが利用者が「自分の知りたいことを検索する」という、自分自身の意思を持った行動を経て、訪れるためテレビ広告等以上に興味・関心度が高いそうが集めることができます。
さらに、WEB広告を出稿する際もインターネット上で集められた膨大なデータを元に企業が届けたいと考えている人を対象として的確に情報を伝えることができるのでより費用に見合った施策を実行することができます。
近年SNSの普及によって、インターネット上に公開されたそれらの情報は凄まじいスピードで多くの人に知ってもらうことができます。
マス広告よりも安く、情報量は多く伝えることができる
新聞やテレビCMなどでは伝えられる情報に限界があり、その上、その小さな枠を争って費用は膨大なものになっていて、広告に大きな予算を捻出することができない企業にとっては大きな壁になっていました。
しかし、インターネット上では一度、コーポレートサイトやブランディングサイトを作ってしまえば比較的に安価で半永久的に自社の紹介や思いを、新聞やテレビ広告以上の情報量で伝えることができ、自社の商品・サービスの購入の後押しまでできます。
ブランディングサイト、なんて難しそう。
そんなのは大手企業の余った予算でやることだ。
そう思っている方はいませんか?
しかし、実情は全く違います。
予算がかけられないこそ、比較的、低予算でできるブランディングサイトやコーポレートサイトを構築することで自社の紹介やブランディングを行っていくことが重要になっていきます。
利用者情報が取得しやすい
ブランディングサイトを含めて、インターネット上にあるホームページでは利用者がどのくらい滞在したのか、設置したリンクのクリック率や、どのくらい訪問したのかなど利用者がどのような行動を取ったのかというデータまで把握することが可能です。
このような訪問者のデータや傾向を分析することで、ホームページ内で訪問者をしっかりと誘導したいところに誘導できているのかなどあらゆる対策の改善につなげることが可能です。
また、そういったインターネット上での情報は、ホームページの改善だけでなく、どういったページにアクセスが集まるかなど分析することで、顧客視点の企業はどうなっているのかということまで分析することができ、そうすることで企業の現実での施策に関しても改善することができます。
SNSと組み合わせやすい
SNSの普及によって、企業は顧客からの生の声(評判など)を知ることができるようになりました。
SNSを利用することで、顧客が今どんな悩みを持っているのかというところに対して、アンケートを取るというようなことも比較的少ないコストでできるようにもなっています。
検索からのサイトへの訪問だけでなく、そういったSNSでの活動による流入も近年増加しており、こうした媒体を用いることで顧客との距離感を縮めブランド理解をしていただくことも可能になっています。
ブランディングサイトでもコーポレートサイトでも初めのうちは、検索による流入は少なくなってしまいがちですが、SNSを用いることによる流入が見込むことができ、ブランディングサイト等のサイトとの親和性が高いこともメリットとして挙げられます。
ブランディングサイトの作り方・マーケ手法
「ブランディングサイトの役割やメリットについては、よく分かったけど、じゃあ実際にどういう流れでブランディングサイトって作るの?」と疑問にもたれる方も多くいらっしゃると思います。
そこで次に、一般的にどのようにブランディングサイトが作られ、何に注意して制作していく必要があるのかということをわかりやすく解説していきます!
1,コンセプトを決める
まず初めに、サイトのコンセプトを決定します。
「そのサイトは誰に(男性?女性?20代?50代?)一番見て欲しいのか?」
「親しみやすいサイトを目指すのか、それとも高級感のあるサイトにするのか?」
「採用が目的なのか?自社のECサイトへの誘導が目的なのか?問い合わせが目的なのか?」
「市場の中でどのポジションを狙っていくのか?」
このようなことを1つずつ、矛盾のないように決定することで、
「40~50代向けのサイトなのに、ビジュアルがポップなものになっている」
「商品価格が競合他社よりも安く抑えているのにも関わらず、サイトに高級感があるせいで敷居を高くしてしまっている」
といったことを防いでいきます。
このコンセプト決定時には、企業のことをわかっていればいるほど良いですが、企業理解の深い当事者だけだと当事者のみの偏った視点となってしまうので、顧客から見た客観的視点も組み込むことで、顧客から見た視点と当事者から見た視点のミスマッチを減らすことも重要です。
また、当事者だけで制作を進めると、作業の中でコンセプトのズレがあったとしても、気づかないということも起きてしまうので、ブランディングサイトを制作するという面でも客観的視点を含めることを強くおすすめします。
2,必要なコンテンツや強く訴求したいコンテンツを整理する。
1で設定したコンセプトやターゲットに対して、自社のブランドの価値を顧客に理解してもらうにはどのようなものが適しているのかを整理していきます。
ここでも「顧客の視点に立つ」というのが重要です。
ブランディングサイトを制作する際に、製作者側で「楽しい!面白い!」となったコンテンツでも
それを顧客には「専門用語が多くて読みづらい」「ビジュアルでがガチャガチャしていてイメージが掴めない」など、製作者の意図が届かないことになってしまいます。
また、ブランディングサイトはテレビ広告や新聞などとは異なり、より多くの情報を掲載することが可能な媒体なので、より多くの情報があればいいとなってしまいがちです。
しかし、顧客の視点に立った時には、「情報がいっぱいあるのはわかるけど、自分の欲しい情報が見つからない」となってしまうと、必ずしも情報がたくさんあることは良いことではありません。
大事なのは、選択肢を多く提示することではなく、
顧客にとって「最適な」コンテンツを「誰でも、簡単に」ゲットできる状態にする
ということを意識しましょう!
3,ビジュアルの決定・制作
1・2で決めたブランドのコンセプトやコンテンツをもとに、企業のロゴやアイコン、写真、キャッチコピーなどを用意し、サイトの制作を行っていきます。
その際にも、顧客側が感じている企業のブランド価値と企業側が打ち出したいブランド価値のミスマッチを起こさないように注意する必要があります。
また、他の顧客との接点のあるデザインと統一感を持たせることも重要です。
例えば、企業で、すでに世に出しているパンフレット、広告などのビジュアルイメージとあまりに乖離があると、顧客に対して一貫した企業のブランドイメージの浸透が困難になってしまうので、既出の企業のブランドイメージがある場合にはこういった注意も必要になります。
4,自社内の体制づくり
ブランディングサイトは、テレビ広告や新聞の広告とは異なり、様々な情報をサイト内に組み込むことが可能です。
サイトによっては、ECサイトへの誘導があったり、自社の採用サイトへの誘導があったりと、会社内の複数の異なる部門に関わることもあります。
そのため、ブランディングサイトを制作する時には、それぞれの部門と連携して制作する必要があります。
5,サイトの管理改善
ブランディングサイトは公開した後もテレビ広告等に比べれば低コストなものの、サイトの更新や・改善などのメンテナンスする必要があります。
サイトに掲載されている情報が古い場合に、サイトへの訪問者に新しい情報を提供することができないだけでなく、古い情報によって訪問者を混乱させてしまったり、適切な情報を得られない情報サイトとしての印象を与え、訪問者の行動に悪影響を与えます。
例えば、飲食店のWEBサイトで、最近では、新型コロナウイルスの影響で営業されているか否かが店舗によって異なっており、そういった際に顧客がホームページにアクセスして、情報が更新しなかったために、休業中にも関わらず顧客が店舗に訪れ、結果的に顧客がその店舗に対して不信感を抱き店舗に二度と来店しなくなるといったケースです。
このようなことを防ぐためにサイトの改善・運用は必要です。
そして、サイトへのアクセス状況を解析し、顧客からの意見等を取り入れて改善することでより効果的なホームページとすることも可能です。