グリーントランスフォーメーションとは?特徴や企業の取り組みなどを解説!

  • 2023年1月25日
  • 2023年1月25日
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グリーントランスフォーメーション(GX)という言葉をご存知でしょうか?

GXとは、昨今の地球温暖化や気候変動などの環境問題に対し、脱炭素による気候変動を減少させる対策のことを指します。

この取り組みは、環境保護と経済成長の両立を目指す企業としてのブランディングができるなどのメリットがあり、ビジネスとしても重要な取り組みです。

本記事ではGXの基本的な知識や、企業の取り組みについて紹介していきます。

グリーントランスフォーメーション(GX)とは

グリーントランスフォーメーション(GX)とは、環境破壊や異常気象による自然災害、プラスチック問題や公害の原因となっている温室効果ガスの排出量を削減する対策のことをいいます。

GXは、先進技術の力で化石燃料を脱炭素ガスや太陽光・風力発電といった再生可能エネルギーに転換し、排出削減と経済成長を両立させることが目的です。

GXが注目される理由

GXの基本的な知識を得たところで、なぜGXが世界的に注目されているのかを解説していきましょう。

その理由として、

・環境問題による経済損失を防ぐため

・大国の抱いた危機感が世界へ影響したため

・再生可能エネルギー導入による収益の拡大ができるため

以上、3つが挙げられます。

環境問題による経済損失を防ぐため

近年、経済発展と環境保護を両立させるための投資は、惜しむべきでないという考え方が強まっています。

ここ数年の中で、異常な乾燥状態による大規模な山火事、豪雨が原因の洪水や干ばつ、などの前代未聞の異常気象や自然災害が世界中で起こったこともあり、地球温暖化をはじめとした、環境問題に対して、人々の意識が高まっています。

このような災害は、食料不足や対策費用の増加、健康被害など人々の生活に直接的な影響を及ぼし、実際に多大な損失をもたらしているのです。

大国の抱いた危機感が世界へ影響したため

環境問題を巡る議論において、これまでは欧州諸国が世界を引っ張る形で高い目標値を掲げていました。

そのため、欧州諸国では技術力を向上させて市場価値を高めたり、利益を生み出したりする企業が増えてきています。

今まで地球温暖化や温室効果ガス排出量に熱心ではなかった大国(世界の二酸化炭素排出量1位の中国、2位のアメリカ)が、危機感を覚えたのです。

両国には、経済的な機会損失や国際的な影響力低下への懸念もあり、このまま温室効果ガス排出量の問題を放置しておくべきではないと、両国が自覚したのが、世界がGXへの取り組みを意識するようになった理由といっても過言ではありません。

再生可能エネルギー導入による収益の拡大ができるため

2020年6月、電力市場における再生可能エネルギー価格と連動した発電を促す「FIP(Feed-in Premium)制度」を導入することが決まりました。

この制度では、再生可能エネルギーを固定価格での買い取りはせず、売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることができます。

つまり、再生可能エネルギー発電事業者は補助額をもらうことによって、再生可能エネルギーへ投資する動機が確保されるでしょう。

さらに、電力の需要と供給のバランスに応じて変動する市場価格を意識するため、売電する工夫により収益を拡大できるというメリットがあります。

FIP制度の導入が、新たなビジネスの創出やさらなる再生可能エネルギー導入、言い換えればGXへの取り組みが進むことを期待できるのです。

GXとDX(デジタルトランスフォーメーション)の関連性

DXとは、デジタル技術を人々の生活へ浸透させて良き変革をすることを指します。

例えば、様々なデジタル技術を活用した自動車や、電力の需要予測・最適化を図るためのAIを活用した業務フローなどが該当するでしょう。

これらは、まさに脱炭素化や地球温暖化防止のための省エネには欠かせないDXです。

加えて、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル戦略では、インフラ分野においてもデータやデジタル技術を活用し、生活の質の向上を目指しています。

つまりGXの実現に、DXは欠かせない存在だと言えるのです。

日本政府が取り組む「GXリーグ」とは

日本政府は、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体で0にする」というカーボンニュートラルを目指す宣言をしています。

そこで、目標の実現に向け、経済産業省は2022年にGXの新たな取り組みとして「GXリーグ」の推進を発表しました。

GXリーグとは、カーボンニュートラルの目標達成のために参画企業や政府、金融機関、大学などの研究機関などが産業競争力を高めつつ、GXを実現するための施策です。

施策といっても、GXに取り組んでいる企業群がGX実現に向けた議論と新市場を創造する場という方が正しいでしょう。

もっと具体的に言えば、

・未来社会像対話の場:2050年カーボンニュートラルのサステイナブルな未来像を議論・創造する場

・市場ルール形成の場:カーボンニュートラル時代の市場創造やルールメイキングを議論する場

・自主的な排出量取引の場:カーボンニュートラルに向けて掲げた目標に向けて自主的な排出量取引を行う場

となります。

引用ページ:経済産業省 政策について 温暖化対策 「GXリーグ基本構想」 GXリーグ基本構想の狙いとは(概要資料)PDF

引用URL:

https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/GX-league/gxleague_concept.pdf

GXリーグとはつまり、「経済社会システム全体の変革」であり、企業の意識・行動変容が企業の成長と生活者の幸福、そして地球環境への貢献が同時に実現されるための施策です。

加えて、企業の意識・行動変容で生まれた価値が新たな市場の創造を通じて、生活者の意識・行動変容を引き起こすことも目的の1つとされています。

GXリーグ参画企業に求められる取り組み

GXリーグへ参画した企業には、具体的に以下の3つの取り組みを行うことが求められています。

・排出量削減目標の設定と計画の取り組み

・サプライチェーンでのカーボンニュートラルに向けた取り組み

・対話やグリーン製品を通した市場での取り組み

それぞれの説明をしていきましょう。

排出量削減目標の設定と計画の取り組み

2050年のカーボンニュートラルに賛同したうえで、2030年の排出量削減目標の設定と、その目標達成に向けた計画を整合的に立てることが求められます。

加えて、2030年までの中間地点での目標設定も行う必要があり、さらには目標に対する進捗状況を毎年公表しなくてはなりません。

サプライチェーンでのカーボンニュートラルに向けた取り組み

サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れやその流れに関わる全ての企業や消費者のことを指します。

参画企業は、サプライチェーン上流の企業に向けた排出量削減の取り組み支援を行なわなければなりません。

加えて、サプライチェーン下流である消費者の手元に自らの製品やサービスが届いてからも、脱炭素への能動的な付加価値の提供、意識変容の支援をする必要があります。

対話やグリーン製品を通した市場での取り組み

参画企業は、消費者や教育機関などとの気候変動の取り組みに対する対話を行い、その対話の中で気付きを得た内容を経営に取り入れ、経営に生かす必要があります。

さらに、自らビジネスに新しい価値を生み出す変革に取り組むことで、また別の企業と排出量削減の貢献を行わなくてはなりません。

自ら、地球に優しく環境への負荷の少ない製品=グリーン製品を購入することで需要を作り、市場全体のグリーン化を図る取り組みも進めていく必要があるのです。

GXリーグに参画するメリット

企業が、GXリーグに参画することで、地球環境への配慮以外にもメリットがあります。

そもそもGXとは、地球温暖化などで問題となっている環境破壊を、先端技術の力で解決し、環境保護と経済発展を両立させることを目指す概念です。

企業がGXに取り組むことになれば、政府の後押しやブランドイメージ向上などに繋がるでしょう。

企業の将来性や認知度の向上を図った就活生や求職者にも良い印象が与えられ、積極的に集まることから人材確保のための費用を削減するのも可能です。

さらに、自社で使用するエネルギー使用量を削減・再利用すれば、必然的にエネルギーに対する費用も減らすことが可能です。

その上現状では、FIP制度の導入による再生可能エネルギーでの収益拡大が期待できるため、初期投資ができれば結果的にメリットしかありません。

まとめ

GXは、世界中の様々な企業によって取り組みが進められている、環境保護と経済成長の両立を目指す対策です。

企業のブランド力向上の効果もある以上、GXに取り組むことが長期的に大きな利益が得られる投資と言っても過言ではありません。

しかしながら、投資というものは、基本的に短期間で大きな変化が見られないため、GXに関心を示す企業が少ないといった課題もあります。

その中で、貴社がGXへの取り組みを一足早く盛り込んだら、他企業との差が出るのは歴然です。

少しでも他企業と差をつけたい、とお考えになるのなら、まずは収益にも繋がりやすく環境保護にも関連する、再生可能エネルギーの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

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