ジェンダーギャップ指数とは?ビジネスに必要な男女の在り方を併せて解説!

  • 2022年12月19日
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日本に限らず世界の国々で、男女間の不平等が問題として取り挙げられています。

それは、日常の生活から地続きに、ビジネスの世界にまで波紋を広げているのです。

この記事では、男女が平等である状態に近付けることの必要性、男女格差が埋まらないことの問題点などを、ジェンダーギャップ指数を使用して紹介していきます。

ジェンダーギャップ指数とは

ジェンダーギャップ指数とは、ジェンダーギャップ指数とは、自国の男女間が平等であるか、格差が生じているかを知るための指標であり、世界と自国の比較や、自国での改善点を把握できる指数として使用される指数のことをいいます。

ジェンダーギャップ指数は、世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)から毎年のように世界の指数が発表されています。

ジェンダーギャップ指数は、

・経済(労働参加率・同一労働における賃金・収入格差・管理職の男女比・専門技術の男女比)

・政治(国会議員の男女比・閣僚の男女比・過去50年間の国家元首の在任年数における男女差)

・教育(識字率・初等教育就学率・中等教育就学率・高等教育就学率の男女比)

・保健(出生時性比・平均寿命の男女差)

の4つの分野と14項目から作成されており、各国での改善すべき点が分かるようになっています。

また、指数の値は4分野それぞれを女性÷男性で計算して平均値を出したもので、0に近いほど男女間が不平等であり、1に近いほど男女間が平等であることを表します。

WEFが、2022年のジェンダー・ギャップ指数を公表しましたが、日本は116位の0.650と、146ヶ国の中でも非常に低い順位でした。

(参照:男女共同参画局 内閣府男女共同参画局総務課 「世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表」

参考URL:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2022/202208/202208_07.html)

ジェンダーギャップ指数の目的とは

先述した通り、WEFが毎年発表するジェンダーギャップ指数とは、男女間が平等であるか、それとも格差が生じているかを示す指数です。

言い換えれば「いかに女性が社会へ進出・参入できているか」を表す数値といっても、過言ではありません。

この指数を世界に向けて発表する目的としては、各国の分断を促すためではなく、ランキング形式で、各国の優劣をつけてはいるものの、各々の国へ自国内の男女格差に対する課題を明確にさせ、解決するための具体的な行動を起こさせることです。

つまり、世界中で男女の格差を当たり前にしないためと言うことができ、多くの人が他人事として捉えず、当事者として問題意識を持つことがジェンダーギャップ指数の目的とされています。

ジェンダーギャップが引き起こす問題

そもそも、ジェンダーギャップとは性別の違いによって生じる様々な格差を表す言葉です。

そして、男女間の格差をなくしていかなければ、世界の発展が難しいことは、世界全体の問題としても取り上げられています。

しかしながら、世界の取り組みとして男女間の平等を近付けているのに対し、日本のように未だに不平等である国や地域も存在しているのが現状です。

家庭内の役割や学歴、雇用やキャリア、賃金などにおいても、ジェンダーギャップは生まれてしまう問題が起こり得るのです。

日本の分野別ジェンダーギャップ指数

毎年WEFからジェンダーギャップ指数が発表されると、日本でもその順位の低さが話題になります。

特に昨今では、男女間の格差をなくした平等性を訴える声が増えていることや、SNSなどの普及で情報が共有しやすい時代であり、順位が低い原因がどこにあるのかも、判明しやすくなります。

まずは、算出元の4分野の数値がどのようになっているのか、2022年の発表を確認してみましょう。

・経済:0.564(121位)

・政治:0.061(139位)

・教育:1.000(1位)

・保健:0.973(63位)

(参照:男女共同参画局 内閣府男女共同参画局総務課 「世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表」

参考URL:https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2022/202208/202208_07.html)

それぞれの数値から、教育は世界トップレベルであり、経済・政治分野が課題となるということが、判明しました。。

ジェンダーギャップ指数は、4分野の数値の平均値で求められるため、指数を上げるためには、経済・政治分野での男女平等が必要不可欠であり、より積極的な取り組みが求められます。

日本の課題と今後の男女格差

日本のジェンダーギャップ指数は、教育と保健だけで言えば世界トップレベルです。

しかしながら、経済・政治分野の指数が低く、総合評価は主要先進国中では最下位となっています。

指数が低いことへの課題として、

・男女間の賃金格差

・男女間のケアワークにおける分担比

・女性管理職の少なさ

・女性の政治進出の現状

の4つを挙げることができます。

男女間の格差がもたらす問題について1人1人が適切に学び、格差を無くすために何ができるかを考える必要があります。

男女間の賃金格差

日本における男女間の賃金格差は、少しずつ埋まってきたように思われますが、他の先進国と比較すると依然として大きい状況です。

しかしながら、令和4年7月8日に女性活躍推進法の制度改正により、「男女の賃金の差異」が追加されました。

さらには、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対し、下記項目の公表が義務づけられるようになったのです。

●女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績

以下の8項目から1項目選択+⑨男女の賃金の差異(必須)*新設

①採用した労働者に占める女性労働者の割合

②男女別の採用における競争倍率

③労働者に占める女性労働者の割合

④係長級にある者に占める女性労働者の割合

⑤管理職に占める女性労働者の割合

⑥役員に占める女性の割合

⑦男女別の職種または雇用形態の転換実績

⑧男女別の再雇用または中途採用の実績

+

⑨男女の賃金の差異(必須)*新設

●職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績

以下の7項目から1項目選択*従来どおり

①男女の平均継続勤務年数の差異

②10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続

雇用割合

③男女別の育児休業取得率

④労働者の1ヶ月当たりの平均残業時間

⑤雇用管理区分ごとの労働者の1ヶ月当たりの平均残業時間

⑥有給休暇取得率

⑦雇用管理区分ごとの有給休暇取得率

(参考:厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」

参照URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html)

上記の取り組みにより、男女間の賃金格差の問題解決を目指しているのです。

男女間のケアワークにおける分担比

日本が抱える課題の2つ目は、家事や育児、介護といったケアワークの分担比が男女に差があることです。

特に、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、元々女性は男性よりも多くのケアワークを担いがちでしたが、自粛生活でその傾向はより顕著になりました。

もちろん、男性の育児休暇の取得など増加傾向にあるものは増えているのですが、そこばかりに注目しても現状は良くなりません。

ケアワークにおける男女の分担比をそのままにして、女性が社会で活躍するのは困難だといえるため、社会が女性の仕事と家庭の両立がしやすい制度をつくり、率先して取り組むべきであることを頭に入れておきましょう。

女性管理職の少なさ

経済分野で特に数値が低かったのは、「管理職の男女比」でした。

もちろん、以前と比較すれば管理職への女性登用を推進する企業も増えていますが、まだまだその取り組みは充分ではありません。

しかしながら、むやみやたらに女性登用を行えば良いというわけではありません。

実際、先ほどのケアワークの男女分担比が偏っていることについてお話ししましたが、仕事と家庭の両立のための福利厚生制度が充実することが、重要になります。

つまり、女性が管理職として仕事をこなせる社会的環境が構成されていない点が、先に解決すべき課題といっても過言ではないのです。

女性の政治進出の現状

日本は、2022年7月8日時点での衆議院の女性議員数の割合が9.9%、参議院の女性議員数の割合は、28%でした。

この数字だけ見れば非常に少ないように見えますが、日本にとっては過去最高の割合となっているのです。

変化は見られるものの、やはりその動きは世界に比べてまだまだ十分とは言えないでしょう。

女性の議員数が、男性に比べて少ないというのは、言い換えれば、女性の意見を社会に反映しづらい状態であることを表しています。

まとめ

ジェンダーギャップ指数とは、男女格差を測る上で指標となる数値であり、多くの人が他人事として捉えず、当事者として問題意識を持つための数値です。

身近なところに生じる、性差による不平等を解決するために、社会活動面で生じる、性差による格差を知るために、今一度ジェンダーギャップ指数を意識してみてください。

そして、自身の会社で「女性が仕事と家庭の両立のための福利厚生制度が充実する制度」をつくることや、制度を改善してみてはいかがでしょうか。

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