現在、良い人材に長く働いてもらい、生産性を上げるための働き方改革が企業のあらゆる分野で問われています。
経営マーケティング・人材マネージメントなど様々な分野でどうすれば質の高い結果を導き出せるのか?どの企業も重要視し始めているテーマです。
その答えがピープルアナリティクスというデータ活用にて導き出されるようになると注目を集めています。
今注目を集めているピープルアナリティクスを知ろう!
ピープルアナリティクスがなぜ重要視されるのか?
昨今、ピープルアナリティクスの必要性が最近問われるようになっていると共に、多くの企業で活用しているところが増えてきています。
企業では新規人材の採用・部署の配置換えなど様々なケースで人材の評価をしなければいけません。
今まで、人材の評価と言えば、人事部や直属の上司による直観的な評価というものが多かったのではないでしょうか。
その場合だと、偏った評価をしがちで、平等な人材評価が出ていなかった気がします。
そこで、最近注目を浴びているのがピープルアナリティクスというものです。
ピープルアナリティクスであれば、直観などに頼らず事実に基づいたデータを元に分析して評価できます。
そのため、公平性が保たれて評価される側からしても納得できる評価につながります。
なぜここまでピープルアナリティクスが評価されるのか?
ピープルアナリティクスが海外で始められてから注目を浴びるようになったのは、googleが活用し始めたのがきっかけで全世界に広まってきたのではないでしょうか。
日本も例外ではなく、大手企業などではすでにピープルアナリティクスによる正確な評価と公平性を求めた人材評価に活用されてきています。
ピープルアナリティクスを導入することで得られるメリット
ピープルアナリティクスを導入することで得られるメリットは次の4つです。
- 人材の採用時にピープルアナリティクスが活躍
- 適切な移動や配置が可能
- 適切な人事評価が期待できる
- 社員の退職率を下げることができる
人材の採用時にピープルアナリティクスが活躍
企業にとって優秀な人材を採用するのは最重要課題です。
新しい人材を採用するときに、今まで入社した社員のパフォーマンスを分析してどのような人材が高いパフォーマンスを出しているかを導き出すことで、優秀な人材の採用に役に立ちます。
具体的に言うと、今まで入社してきた優秀な社員の保有している資格などのスキル、志望動機などを分析することで今後活躍できそうな人物像が導き出せるのです。
これらを実現するのに、ピープルアナリティクスを上手く利用することで優秀な人材の採用が可能になります。
適切な移動や配置が可能
ピープルアナリティクスを活用できるのは採用時だけではありません。
社内での移動や配置転換をするときにも重要な役割を持つことになります。
社員のもっている能力や技術などを分析して、移動や配置先でどのように対応できるのかを事前に確認することができます。
そうすることで、配置先の部署で要求する能力を発揮できる人材が確保できるというわけです。
それは、会社側だけではなく、社員自身も働きやすい環境で働けるわけで、やりがいがある仕事を任せてもらえるという大きなメリットがあります。
適切な人事評価が期待できる
従来の社員の評価は、人事部や上司の主観に頼った評価がされることが多かったのではないでしょうか。
ピープルアナリティクスを活用することで、社員のデータを元にした客観的で公平な評価ができるようになります。
これは、評価される社員からしても納得ができる評価ではないでしょうか。
社員の退職率を下げることができる
折角採用した人材が早期退職されると経営者としては非常に痛手になります。
退職しそうな社員の行動がデータで分かれば、引き留めることも可能になります。
例えば、過去の退職者の状況として、
- 「退職率が高い特定の部門がある」
- 「周りとのコミュニケーションが急に少なくなった社員の数か月後の退職率」
などをデータ化できれば退職するのを引き留めるための対処ができて退職率を下げられます。
その時にピープルアナリティクスが非常に有効なのです。
実際のピープルアナリティクスの手順
ピープルアナリティクスは次の手順で進めていきます。
- 必要なデータの蓄積
- 目的をしっかりと設定する
- 集めたデータの目的に合った解析
- 計画と実行
必要なデータの蓄積
ピープルアナリティクスは社員の様々なデータが重要になります。
まずは、社員の勤務に関するデータを蓄積することから始めましょう。
社員の勤務時間や有給休暇の取得率、そして休職率を蓄積してデータ化します。
社内のパソコンやスマホの使用状況・送付先・送付する時間帯・使う頻度などのデジタルデータを蓄積していきます。
次に、社員が行く営業先、社内での高度履歴などのデータの蓄積を行います。
目的をしっかりと設定する
ピープルアナリティクスを活用するにしても、目的がはっきりしていないとしっかりとした指針を示すことができません。
社内でどういう目的に使いたいのかをはっきりさせる必要があります。
ピープルアナリティクスを使う目的の例として次の三つが挙げられます。
- 社員の仕事をしてから得られる満足度を上げて離職率を少しでも減らしたいというケース
- 社員の作業効率が上がるように教育用のセミナーや研修プログラムを良くしたいというケース
- 侵入社員や中途採用を行った後、入社社員の仕事でのミスマッチを少しでも減らしたいというケース
このように目的を設定することで必要なデータも変わってきますので、目的別のデータの蓄積を行う必要性があります。
蓄積したデータと目的がマッチしてこそ、ピープルアナリティクスの効果が上がるのではないでしょうか。
集めたデータの目的に合った解析
まず、ピープルアナリティクスの取り扱いには十分な注意が必要になってきます。
個人情報になり外部に漏れてはいけない重要な情報なので、集めた情報を外部の会社に委託する場合などは特に注意をしなければいけません。
特に個人を識別できるような情報に関しては除外してから、第3者に渡すようにしなければいけません。
社員といえども、個人情報の取得や活用、そして取り扱いに関しては法令に沿った取り扱いをする必要があります。
また、集めたデータを分析する担当者のスキルも重要になってきます。
いくらデータを集めても、分析をする人のスキルが低ければ正確な分析はできずにほしい情報は取得できないことでしょう。
目的に合ったデータを正確に分析するには、経験とスキルの両方を併せ持った人がおこなわなければいけません。
そのため、企業側もそれに見合った分析者の教育や研修なども併せて行う必要性があります。
これらの全てがマッチして、初めてピープルアナリティクスは成功を収めるものなのです。
計画と実行
ここまでの分析結果をもとに、実際に計画を立てて行動していくことになります。
これまでに蓄積して分析したデータは今回1度だけで終わらせるのではなく、今後も再利用できるように保管しておくことも大切です。
おわりに
ここまで、ピープルアナリティクスというものがいかに重要な役目をしていて、どのように活用すれば、人材の適切や配置転換などの活用につながるのかについて紹介してきました。
企業にとって人材は宝物なのです。
その人材を正当に評価できる手段にピープルアナリティクスというものがいかに重要なのかが理解できましたでしょうか。
今後、ますます活用されるだろうピープルアナリティクスが、社内の人材評価にいち早く利用されることでしょう。