生まれた時からネットがあるのは当たり前!デジタルネイティブとは?
一般的に「デジタルネイティブ」とは、1992年以降に生まれた世代を指す言葉として使われています。
背景としては、1990年代に商用インターネットが普及し、一般の人も気軽にインターネットに触れることが出来るようになったことが挙げられます。
そのため、この世代に生まれた人は幼少の頃からインターネットが身近な存在でした。
このように生まれながらにしてインターネットのある環境に囲まれ、ITやインターネットを当たり前のように使いこなす世代を「デジタルネイティブ世代」と言われたりします。
デジタルネイティブ世代とは
デジタルネイティブ世代とは、1990年代〜2000年代に生まれた世代のことを指します。
更に具体的に分類すると下記の通りとなります。
1.ミレニアム世代
1980年代〜1995年頃に生まれ、2000年代に成人を迎えた世代を「ミレニアム世代」「Y世代」と呼びます。
PCやスマホなどIT製品に囲まれて育った「はじめてのネイティブ世代」と言われています。
ミレニアム世代は ITリテラシーが豊富で、デジタル機器やインターネットに抵抗がありません。
また、インターネットを使って様々な価値観に触れてきたため、柔軟性があり寛容な性格であることが特徴です。
2.Z世代
ミレニアム世代の後に生まれた世代(1990年代後半〜2012年頃の生まれ)は「Z世代」と呼ばれています。
ミレニアム世代と同じく、SNSやスマホに対して全く抵抗がなく、インターネットに潜む危険性なども熟知している世代となります。
ミレニアム世代より、情報リテラシーが進んだ世代となるため、ブランドや肩書きといった表層的なモノより、本質的な価値を見出すことに長けた世代となります。
デジタルネイティブの特徴
それではデジタルネイティブ世代にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここでは代表的な特徴を3つご紹介させて頂きます。
特徴1.インターネットを使った高い情報収集スキル
まず一つ目の特徴は、インターネットでの情報収集スキルが高い点です。
一昔前は、わからないことがあれば辞書で調べたり、人に聞くということが一般的でしたが、デジタルネイティブ世代は場所・時間関係なく瞬時にインターネットで情報収集を行います。
仕事でわからないことがあっても、周りの上司に相談するのでなく、まずは自分で調べるということが主体的にできます。
また、Google検索やSNSなどを使い分けることで自分の知りたい情報を様々な角度から得ることができます。
特徴2.自分の情報発信に抵抗がない。
幼少の頃から親にスマホを与えられることが多い世代のため、早くからSNSで自分のアカウントを作り、自由に自分の意見や考えを発信してきたため、自分の意見を発信することに抵抗がありません。
そして、このスキルは仕事にも応用できます。
企業の商品やサービスの魅力を発信して集客活動を行ったり、商品のブランディングを行ったりと、企業の広報担当やマーケティング・広告などを行う業務に必要なスキルが始めから備わっている場合もあります。
特徴3.多様な価値観を受け入れる寛容な性格
幼少の頃からインターネットで様々な年齢層や価値観の人と接してきたため、多様な価値観を受け入れることができます。
また、インターネットで人脈を広げることに抵抗がなく、顔も知らない友人と交流することが普通なため、対面での意思疎通や会話が苦手な若者が増えてきているのも実情です。
デジタルネイティブ世代の採用方法
明らかに昭和生まれの世代とは情報リテラシーの高さや価値観が違うデジタルネイティブ世代ですが、企業がデジタルネイティブ世代を採用・定着させるためにはどのような方法があるのでしょうか?
ここからは企業がデジタルネイティブ世代と向き合うための有効な方法について解説していきます。
1.上下関係よりオープンな関係づくりを心がける。
デジタルネイティブ世代はインターネットで多様な価値観に触れてきているため、良い意見もあれば、悪い意見があることも理解しています。
つまり、昭和世代の一方的な意見や価値観を完全に信用することはありません。
良い部分も悪い部分もオープンに伝えることでデジタルネイティブ世代との関係は良好になります。
これは上下関係に縛られず、横のつながりを大切にするデジタルネイティブ世代だからこその価値観です。
まずはお互い正直に話し合える関係をつくるところから始めてみましょう。
2.デジタルネイティブ世代に最適な採用方法を選ぶ
企業が採用活動を行う場合、就職サイトや転職サイトに募集要項を掲載することが一般的です。
しかし、最近は「一つの転職サイトに掲載しておけば万全」という募集のやり方は淘汰されつつあります。
特に最近は、レビューや口コミ、評判などをインターネットやSNSで容易に検索できます。
そのため、自社専用の採用サイトやSNSアカウントで、自社の魅力や働く人のリアルな姿を発信する企業が増えてきています。
つまり、これからの採用活動は、今までのやり方に固執せず、様々な採用手法を試しながら自社に最適な方法を見出していくことが必要不可欠です。
3.残業を美徳としない
一昔前まではプライベートより仕事を優先することが普通でした。
しかし最近は『ブラック企業』という言葉が流行ったように、「仕事中心のライフスタイルは本当に正しい事なのか?」という価値観も認められつつあります。
特にデジタルネイティブ世代は横のつながりを大切にする人が多いため、仕事終わりのプライベートを充実させることに重きを置いています。
そのため、職場の雰囲気や働きやすい環境を構築すると共に、意味のない残業をなくせる風土を作っていくことが求められています。
4.フラットな関係構築
デジタルネイティブ世代は先輩や後輩、上司や部下などの上下関係よりも、横のつながりを大切にする傾向にあります。
そのため、上司や先輩から一方的な価値観を押し付けられることに居心地の悪さを感じたり、苦手意識を持つ人も少なくありません。そのため、企業側はデジタルネイティブ世代でも意見が言える環境を構築することが必要といえます。
デジタルネイティブ世代の指導方法
それではデジタルネイティブ世代を採用した際、どのような指導方法が良いのでしょうか?
ここでは代表的な指導方法を3つご紹介させて頂きます。
1.指示でなく共有を心がける
デジタルネイティブ世代は、インターネットで様々な価値観に触れる機会が多いため、その情報が正しいか間違っているかを瞬時に判断できます。
特に昭和世代の偏った価値観を嫌うため、「上司の指示には従うべき」という根拠のない意見は通用しません。
根拠のある合理的な意見を求めるデジタルネイティブ世代には、「指示」ではなく「共有」を心がけましょう。
2.IT関連の仕事を任せる
デジタルネイティブ世代は、幼少の頃からインターネットに触れてきた世代のため、ITツールやパソコン操作などに対して抵抗がありません。
ほかの世代が使わないガジェットやツールに詳しい人材も多いため、IT関連の仕事を任せれば早く仕事に慣れ、次々とITスキルを身につけてくれます。
また最近はコロナ禍で企業のDX化が活発になってきているため、情報リテラシーが高いといった特徴を生かして、企業のDX推進にも期待できます。
3.慎重な情報発信を行うよう指導する。
デジタルネイティブ世代は、知らないことがあればすぐにスマホやタブレットを使って検索し、素早く情報収集を行うことができるので、手間や時間をかけることなく、大量の知識を身につけることができます。
しかし、インターネットの世界は間違っている情報が紛れ込んでいることも多いです。そして、その情報を鵜呑みにし、その情報をそのまま発信してしまう可能性もあります。
個人の発信であれば本人の問題で済みますが、企業アカウントで発信してしまった場合、企業の信用に傷をつけることにもなりかねません。
ですので、デジタルネイティブ世代に情報発信を任せる際は、エビデンスのある正確な情報発信を心がけるよう指導していきましょう。
まとめ
幼少のときからインターネットのある環境で育ってきたデジタルネイティブ世代。
テクノロジーが発達し続けているこの環境下で、企業が生き残っていくためには、デジタルネイティブ世代のような情報リテラシーの高い人材は今後ますます必要となってくるのは明白です。
「コミニュケーション能力が低い」「対面での会話が成り立たない」など批判的な意見も多くある世代ですが、新しいテクノロジーや価値観を抵抗なく受け入れることができる世代のため、グローバル企業での活躍も期待ができるといったポジティブな面もあります。
まずは世代の垣根を超えて、お互い歩み寄ってよりよいコミニュケーションが取れる企業風土を構築していきましょう。