企業が知っておくべき「CSR(=企業が果たすべき社会的責任)」とは?事例と併せて徹底解説!

  • 2022年2月26日
  • 2022年2月26日
  • SDGs
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「CSR」や「SDGs」という言葉が日本企業においても急速に広まりつつありますが、実態をよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、「CSRの概要やメリット、日本企業の成功事例」についてご紹介します。

CSR活動は、社会貢献だけでなく企業の価値向上や社会的ネットワークの拡大にもつながります。

企業におけるCSR活動を正しく理解し、自社へ取り入れていきましょう。

「CSR」とは?

CSR(Corporate Social Responsibility)とは「企業が果たすべき社会的責任」という意味を指します。

ここでの社会的責任とは、従業員や顧客、取引先、自社への投資者、環境などへの配慮・社会貢献に対して適切な意思決定を行う責任のことを指します。

つまり、CSRとは企業の利益を優先するのではなく、企業を取り巻く社会を持続・発展させるために責任を担うべきという考え方です。

具体的なCSR活動として、自社商品・サービスの無償提供による「物的支援」や寄付や寄付スキームの構築による「資金的支援」、出向等の人材派遣などの「人的支援」が挙げられます。

CSRを達成するために、各企業の事業内容や企業理念に合わせて社会に対して担うべき責任や役割に取り組む必要があります。

CSRを企業が行うメリット

CSRの概要を理解したところで、次はCSR活動を企業が行う上での3つのメリットについて解説します。

  • 企業価値や知名度の向上
  • 社員のモチベーション向上や帰属意識の強化につながる
  • ステークホルダーとの関係性向上

それでは一つずつ見ていきましょう。

メリット①:企業価値や知名度の向上

CSR活動を企業が行うメリットの1つ目は「企業価値や知名度の向上」が挙げられます。

事実「CSRは企業のブランド力や評判を向上させ最大11%まで高めることができる」という調査結果もあります(CSR Communicateより)。

日本企業の例では、「雪印メグミルク」にて、子ども食堂に商品無償提供や乳製品の理解のためのイベントを開催することで、CSR活動を推進すると共に自社製品の知名度の向上にも役立てています。

CSR活動を行うことで、自社を知ってもらう機会が出来るだけでなく、自社商品・サービスや自社の価値を実感してもらうことも可能です。

自社の知名度アップにより、顧客獲得や売上向上につながるメリットもあります。

社員のモチベーション向上や帰属意識の強化につながる

CSR活動を企業が行うメリットの2つ目は「社員のモチベーション向上や帰属意識の強化につながる」ことです。

実際、日本経済団体連合会が毎年実施している「社会貢献活動に関するアンケート調査結果」の2020年度版によると、
「社員の会社に対する誇りや忠誠心の向上」を目的として活動していると答えた企業は全体の52%と、CSR活動によって鬼族意識の強化に繋がることが伺えます。

CSR活動を行うことによって、社会的に意義のある事業に携わっていることを自覚できモチベーションを高めることができます。

社員のモチベーションが維持できることで、社員の離職率の低下や生産性の向上などのメリットにもつながります。

メリット③:ステークホルダーとの関係性向上

CSR活動を企業が行うメリットの3つ目は「ステークホルダーとの関係性向上」です。

ここでの「ステークホルダー」とは企業に関わる利害関係者のことで、取引先や株主、金融機関、労働組合、地域社会などを指します。

企業の社会的認知度や売上が向上することで、ステークホルダーの期待に応えることができるため、良好な関係性を築くことが可能となります。

特に、取引先が自社との関係に満足しない場合、自社の商品やサービスを購入・利用してもらえないことや、取引相手を同業他社に変えてしまう可能性も考えられます。

企業がステークホルダーとの関係性を維持できなければ、企業の存続自体が危うくなりかねません。

社会的信頼を得て企業経営を円滑に進めるためにも、CSR活動を通じたステークホルダーとの対話は重要と言えます。

企業のCSR成功事例

実際にCSR活動を成功させ、メリットを享受している企業が日本においても多くあります。

そこで、最後に日本企業におけるCSRの事例を5つご紹介します。

  • 化学|Denka
  • 燃料商社|シナネンホールディングス
  • 繊維製品メーカー|グンゼ株式会社
  • 電気通信事業|KDDI
  • ヘルスケア事業|富士フイルムホールディングス

これからCSRを実践していく際に参考にしてください。それでは一つずつ見ていきましょう。

事例①:化学|Denka

化学製品と医療品を扱う「Denka」では、13個のCSR最重要課題を挙げ、その中の1つに環境汚染の防止や気候変動対策推進などの環境保全に取り組むことを明言しています。

CSRを達成するために、廃プラスチックの原料をモノマーに再生して製品を作ることや、二酸化炭素から原料を作るなど、モノの長命化とリサイクルに努めていきます。

多くの日本企業にて、環境汚染の防止や生態系の維持、植林活動などの環境保全に関するCSR活動が実施・計画されています。

事例②:燃料商社|シナネンホールディングス

エネルギーソリューション事業に携わる「シナネンホールディングス」では、地域社会に対する人的支援を積極的に実行しています。

例えば、次世代を担う子どもたちに、働くことの楽しさを伝えるために「お仕事ぬりえ」という商品を提供しています。

塗り絵を楽しみながら、シナネングループへの理解を深めると同時に、社是である「楽業」の精神に触れてもらう機会へと繋げています。

地域社会に向けたイベントや講演会、展示ブースなどの文化支援は中小企業においても取り組みやすく、多くの企業で取り組まれています。

事例③:繊維製品メーカー|グンゼ株式会社

肌着やインナー商品を手掛ける繊維製品メーカーの「グンゼ株式会社」では、令和2年7月の豪雨による被災地に対して、肌着と靴下の支援を無償で行いました。

復興において支援金や自社商品の支援物資寄贈、被災者の雇用創出などの積極的支援は、広告としての役割だけでなく社会との強固なつながりを作る上で非常に効果的と言えます。

事例④:電気通信事業|KDDI

日本の大手電気通信事業社である「KDDI」では、「安全で強靭な情報通信社会の構築」「ICTを通じた心豊かな暮らしの実現」「情報セキュリティの確保とプライバシーの保護」など6つの重要課題を掲げています。

KDDIは、社会貢献の幅が広く、経済的見返りの少ない慈善活動を重点的に行なっていることが評価され、「東洋経済CSR企業ランキング」にて2020年・2021年連続で1位の実績があります。

事例⑤:富士フイルムホールディングス

ヘルスケア事業を主とする「富士フイルムホールディングス」では、環境・健康・働き方など幅広い活動が評価されています。

特に、新型コロナウイルス感染症に対してワクチン開発支援や医薬品開発などにより、社会貢献を積極的に行っています。

アフターコロナにおいても生き残る企業であり続けるために、従業員の雇用維持やテレワーク推進など、新たな社会的責任が求められています。

まとめ

今回、CSRの概要や企業がCSRに取り組むメリット、企業のCSR活動事例について解説してきました。

CSRは企業の価値や知名度、取引先との関係性を向上させるために効果的な活動と言えます。

企業としての社会的責任を果たすために、自社で活動できることから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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