近年、UXデザインや、〇〇アートなど、様々な「アート」「デザイン」出てきましたよね。
しかし、実は、この「デザイン」と「アート」には決定的に異なります。
この違いを把握しないと、自社で必要なのが「アート」なのか、「デザイン」なのかが不明になってしまい、求めたアウトプットと異なるものになったり、コミュニケーションの履き違いを起こしかねないので、しっかり確認していきましょう。
デザインとアートの違い
結論から言うと、デザインとアートの違いを、端的に言うと、「自己表現か否か」です。
まずデザインは、ユーザーの目的を達成するために、ユーザーの行動設計プランを練り上げ、正しい方向へ導き、問題解決へとつなげるプロセスを考案します。
そして、それを商品やサービスに落とし込むのが、デザインに期待される役割です。
また、ユーザーの要望に答えられるデザインを考案するのは非常に重要です。
そのために、クライアントやユーザーの意図を汲み取るコミュニケーション能力、普遍的な価値を生み出す客観性、商品として提供するためのビジネス戦略が必要とな遼大、必ずしも「自己表現」が必要であるとは限りません。
一方アートは、芸術を通して社会に対し、問題提起をする職業です。
作り手の解釈や哲学が作品に反映され、創造主の自己実現の手段として作品を作る点が、デザインとは大きく異なります。
アートの創造は、クリエイターの能力を究極的かつ本質的に突き止める作業であり、予算や時間などの制約がないのもアートの特徴です。
オーディエンスの情感に訴え、アーティストが伝えたい想いを音楽や絵画などの作品を媒体として伝えるので、必ずしも万人受けしなくても良いのは、アートならではの特性でしょう。
中には、作品の受け手が自身の理解を越えたものに出会ったときに、「アート」というカテゴリーに分類していることもあり得ます。
さらに、非商業的な性質を持つので、利益を生み出すことは至上命題ではありません。その性質も、デザインとは対極的と言えるのではないでしょうか。
共に「クリエイター」のカテゴリーに属する仕事ですが、その役割は全く異なるのです。
ここまでの説明では、抽象的でイメージがつかみにくい方もいらっしゃるかもしれませんね。もう少し具体的な例を考えてみましょう。
例えば、新しいカップを手に入れたとします。
この場合、たとえ見た目が美しいカップであっても、金銀細工が施されて電子レンジで温められないようなカップは、実用的とは言えません。
この場合、問題のカップは作り手の想いが具現化され、鑑賞して楽しむ「アート作品」として捉えられるでしょう。
一方、手に馴染み、電子レンジでの加熱を含めて日常使いしやすい作品だったらどうでしょうか。
作り手は、あらかじめユーザーの行動や目的を予測し、それらにフィットした作品を設計・創造したと考えられます。
この場合のカップは、機能性に優れた「デザイン」を持つ商品と言えるでしょう。
デザインの定義
何らかの課題があり、その問題解決のための手法や作品を生み出す仕事が、「デザイン」です。
デザインとは、与えられた制約内において、ユーザー視点において最大の結果を出すのを目的としています。
プロジェクトの目的を実現させるために、クライアントやデザイナーのアイデアを具現化し、唯一無二の普遍性・客観性のあるデザインを生み出さなければなりません。
また、最終的なユーザーの立場に立ったデザインが求められ、数字による結果が求められるのもデザインの特徴です。
デザインの特徴
次に、デザインの特徴についてもう少し考察を深めましょう
デザインの特徴① 伝えること
デザインで創作者の意図を正しく伝えるためには、物やサービスなど対象を分析・整理した上で、設計や図案作成を行い、意匠に反映させるのが重要です。
より多くの人に理解してもらい、誰でも利用しやすいデザインが、最善の解答と言えるでしょう。
プロダクトの意図が伝わらなかったり、誤解されるようではデザインは意味をなさないのです。
デザインの特徴② ユーザーを動かすこと
ユーザーに、何らかのアクションを起こさせるのが、デザインの目的です。
そのためには、デザイナーの自己満足で終わるのではなく、ユーザーに利用してもらえるデザインでなければなりません。
ユーザーのリアクションにつながるかどうかは、ロゴ、グラフィック、Webなどあらゆるジャンルのデザインにおいて、重要な要素と言えるでしょう。
デザインの特徴③ 商業化が目的である
ユーザーが使いやすいデザインというのは、商業化しても利益をもたらすものです。
デザインの最終目的はターゲットが購入や利用などのリアクションを起こすこと。
そして、優れたデザインはユーザーに幸福をもたらすと考えられます。
デザインの特徴④ 問題解決・計画を立てる
デザインは、仕様書やプロジェクトで提示された課題に対して、それを解決するための作品が求められます。
デザインの本質は、ユーザーの課題を解決し、リアクションにつなげることでしたね。
デザイナーは問題解決のためのアイデアを出し、ユーザーからの反響を予想しながら、ユーザー視点で見ても楽しめるようなものを、具現化しなければなりません。
そのためには、入念に計画を立てる必要があります。
デザインの特徴⑤ デザインの制限がある
予算やユーザーファーストの視点から、デザインには制限があります。
その特性上、「創造する」というよりも、「設計」や「組み立て」という言葉の方が、デザインの作業工程のイメージに近いでしょう。
デザインの特徴⑥ 客観性が求められる
デザインは、誰もが「美しい」「使いやすい」と感じる客観性が求められます。
よって、デザインはあるジャンルにおけるルールや原理、訓練に従った、課題解決のための究極の表現物とも言えるでしょう。
なぜならば、「誰でも利用しやすい」デザインは、審美性を極めた作品でもあるからです。
設計の段階でルールや原理から外れていると、ユーザーの目的に合致せず、利益が出にくいプロダクトと判断されるでしょう。
デザインの特徴⑦ 審美性と機能性
デザインは、「機能性」と「美しさ」を両立させたもの。
一見、両者は対極に位置する言葉のようにも感じるかもしれません。
ですが「機能」を極めると、無駄が削ぎ落とされ洗練された美が生まれることもあります。
従来の「アートとデザインの違い」という対比の関係を超えて、近年では「美のシンボル」として捉えられていたアートを、「デザイン上の一手段」として、捉える風潮も生まれています。
反対に、ブランドイメージ戦略などでは、目的こそイメージのブランディング化にあるとしても、その解釈は鑑賞者に委ねるケースもあります。
「デザイン」と「アート」と分けつつも、デザインの中にアートの要素があったり、アートの中にデザインの要素があるなど、両方の要素を持ち合わせる場合があります。
デザインの変遷
ここで、デザインの変遷について具体的な事例を見てみましょう。
今年は、アートの要素も多く含んだデザインの作品も、数多く登場しています。
具体的には、ドラクロワ作の「民衆を導く自由の女神」をモチーフに使用した広告や、アーティストの手掛けたTシャツなどが挙げられるのではないでしょうか。
従来であれば、「使いやすさ」を追求し商品化を前提にしたデザインは、シンプルかつ大量生産を前提とした作品が多く見られました。
ですが、「大量生産、大量消費」のモデルとした産業構造が変化し、類似品が大量に生まれると、「見た目」も重視した製品が作られるようになります。
これらは、従来のデザインの「美」だけではなく、見た目も楽しむ「アート」としての性質も帯びるようになったと考えられるでしょう。
デザインの役割
では、デザインはどのような役割を果たすのでしょうか。次はデザインの役割の詳細について、説明します。
①コミュニケーションとしてのデザイン
デザインの極めて普遍的かつ重要な役割としては、企業から消費者に対する「物事の伝達」が挙げられるでしょう。
従来より存在する例としては、企業広告やロゴは消費者に対してのメッセージを含んでいますし、顧客へのベネフィットを保証するブランドデザインも、コミュニケーションの一種です。
また最近では、さまざまな企業でWebサイトなどのUI・UXデザインにも力を入れています。
各企業では、サービス提供者と消費者が効率良くコミュニケーションが取れるように、さまざまな工夫を重ねていると言えるでしょう。
②ビジネスに対してのデザイン
戦略的視点・思考も必要なのが、ビジネス成果を上げるためのデザインです。
見た目の美しさはもちろんのこと、製品やサービス、組織、経営戦略に至る全領域に対して、デザイン的側面から過程やアウトプットの改善の役割を担います。
デザイナーのゴール地点は、会社の売上や利益の向上、作業効率化によるコスト削減、顧客満足度や愛社精神の高まりなど多岐に渡り、重要性も高いと言えます。
③ユーザーに対してのデザイン
現在のデザインで最も重要なのが、ユーザーにとって使いやすい製品であり、目的に適った正しい利用を経て最適な体験をしてもらうことです。
一般的にはユーザーエクスペリエンス(UX)デザインや、カスタマーエクスペリエンス(CX)デザインという表現をしますが、Webやモバイルなどの、デジタルデザインに限られた表現ではありません。
従来の物理的な製品や建物設計、看板やポスターなどの広告、都市設計を含め、ユーザーに最適な体験を提供するのが、正しいデザインの在り方なのです。
デザインが優れているべき5個の理由
そもそも、優れたデザインはなぜ必要なのでしょうか。次は、優れたデザインがもたらす5つのメリットについて、解説します。
①売り上げが上がる
デザインの美しさや使い勝手に優れた商品のほうが、当然売れます。
美しいプロダクトや優れた広告は消費者の目に留まりやすく、ヒット商品につながるのは予想できるでしょう。
シンプルなロジックではありますが、デザインの普遍的な価値の一つです。
②時間の短縮になる
デザインが優れたプロダクトは、ユーザーを正しい方向へ誘導し、利用する際の時間コストが削減できます。
利用に手間取る商品やサービスは、それだけで時間をロスしてしまいますね。
③コストの削減につながる
デザインに無駄な要素がなく、効率の良い工程を見つけられれば、最短のスケジュールや距離で、もの作りに取り組めます。
プロダクトに必要な素材も最小限で済むので、最終的にはコストダウンにつながるのです。
④長持ちする
優れたデザインの成果物は、商品としての寿命が長いと言えます。
使いやすいのでユーザーに大切に扱われ、消費者に普遍的な価値を見出してもらえれば、長期間にわたり利用されるでしょう。
⑤イノベーションを生み出す
良質なデザインは、イノベーションには欠かせない要素です。目を見張るような刷新がなくても、従来のテクノロジーとの組み合わせやデザイン自体の見直しを図って、新たなプロダクトを生み出した事例は、多数存在します。
優れたデザインはアートの域に達する
究極のデザインは「美しさ」も兼ね備えているものです。そこから一歩踏み込んで「美しさ」も極めると、「アート」の域にも達することができると考えられます。
アートの本質は消費者に対して問題を提起し、ユーザーの感性を揺さぶること。
それをよく知る優れたデザイナーはアートとデザインそれぞれのメリットを活用しながら、最適な商業上のプロセスやアウトプットにつなげていると言えるでしょう。
また、その逆の事例も多数見られます。
アーティストでありながら、デザイナーの役割も果たしていた著名人の作品は、ピカソがキュービズムに傾倒していた頃の作品や、マティスのポスターが挙げられます。
また、Appleのチーフデザイナーであるジョナサン・アイブが手掛けた数々の製品は、アート的な作品の中に機能性を織り交ぜ、現在でも名品と言われています。
アートの定義
一方、アートの定義はどのようなものなのでしょうか。
デザインが客観性を求められたのに対し、アートは「特殊な素材や手段、形式を用いて、アーティストの技巧を凝らしながら、美を生み出して表現する人間活動やそれに伴う作品」と言えます。
言い換えれば、主観性を重視するのがアートの特徴と言えるでしょう。
またそれだけではなく、必ずしも利益追求を目的としないので制限が少なく、絶対的な解答がないのも、デザインの性質とは対照的です。
アートの実用性はあるのか?
アートの基本的な考えとして、アートは「主観性」に比重が置かれます。
そのため、必ずしも機能性や商業性が求められるものではありませんでした。
見る人の感情を揺さぶるのが目的ですから、理解できなくても当然という風潮もあったのです。
ですが、これでは先の「優れたデザインは、アートとしての性質も内包する」という実態と、乖離します。
実際にアーティストが企業に依頼されてデザインを手掛けたり、デザイナーがクライアントの目的に適う作品の中にも芸術的要素を取り入れた作品を提供するケースも見かけたりするのではないでしょうか。
これらのケースを踏まえると、客観性があり、商品にも流用できる作品の存在すると言えるでしょう。
身近な事例としては、町おこしなどにおけるフォトコンテストなどが考えられるのではないでしょうか。各地のフォトコンテストは、写真単体で鑑賞する分には、非常に芸術性の高い「アート」と言えます。
ですが、広報に使用する目的で開催されたコンペティションなどでは、芸術性だけではなく「地域の良さをアピールする」「フォトジェニックである」など、商用的な要素も審査の対象に加わります。それらを踏まえると、実用性のあるアートも存在すると捉えられます。
アートの特徴
次は、アートの特徴について解説していきます!
アートの特徴① 表現する
アートは、創造者の内面を表現する行為や作品を指します。アーティストの自己実現として作品に昇華させるので、制約はありません。
世界的に知られているアーティストとしては、英国を拠点に活動しているバンクシー氏が有名です。
世界各地の路上や壁、橋梁などに政治的メッセージを残しており、アートの本質を体現化した人物だと言えるでしょう。
アートの特徴② 理解されることが目的ではない
アートは、鑑賞者に作品の理解を委ねます。必ずしも作品に込められた意図やメッセージを理解してもらう必要はなく、自己実現の手段として表現しているので、客観性を欠いても作品として成立するのです。
アートの特徴③ 利益が目的ではない
アートは制作者の自己実現が最大の目的であり、必ずしも利益を生み出すのが目的とは限りません。
アートの特徴④ 誰かに向けたものではない
アートは創作者の内面を表現するのが目的ですので、オーディエンスがいなくても、作品として成立します。
アートの特徴⑤ 主観性が大きい
アートは主観的であり、誰かが良い作品だと感じても、別の人が同じようにシンパシーを感じるとは限りません。一人ひとりが作品に対して抱く感性は多様であり、「良い作品」の絶対的な基準はないのです。
デザイナーとアーティストの3つの違い
ここまでの考察を踏まえると、デザイナーとアーティストには、「解決対象」「表現上の制約の有無」「作品で重視されるポイント」など、3つの違いがあるのが分かります。
①課題を解決することと自己表現
デザインの最終目的は、「消費者やユーザーの課題を解決し、次のリアクションにつなげること」ことです。
それに対してアートの目的は、「創造者の自己を表現し、それが反映された作品の創造」です。
ゴール地点がそれぞれ異なるため、それに至るプロセスも自ずと違ったルートを辿ります。
②制約の有無
デザインは、時間や予算、手段などの制約を受けます。最短・最速のルートを用いてユーザーの課題を解決することが最終目的なので、必然的に制約が生まれるとも言えるでしょう。
一方、アートは、自分のために作品を創るのが最大の目的です。
自分の内心に耳を傾けるのが重要ですから、外部の制約を受けず自由に作品を作れます。
③客観性と主観性
デザイナーの仕事は、客観性が重視されます。
仕事の性質上、ユーザーの課題を解決するのがゴールであり、最終的にはユーザー視点の思考や判断が求められます。
よって、個人的な感覚に頼るのではなく、ユーザーやクライアントからのフードバックを手がかりに、数字上の成果を求められるのが一般的です。
一方自己表現が最終ゴールのアーティストは、オーディエンスの反応を気にせずに、自分のアイデアを最大限に表現できます。自分独自の世界観を持っているのが何よりも大切であり、常にアーティストの感性が問われると言えます。
例えば、クリエイターが椅子を作ることになったとします。
デザイナーの作品は、ユーザーの座り心地や使いやすさを意識して作るのに対し、アーティストの作品は自己表現を含めた芸術性を意識した作品に仕上がるでしょう。
デザイナーとアーティストでは、「椅子を作る」という行為一つを取り上げても、思考プロセスが全く異なるのです。
ピカソはデザイナー?
デザイナー的な活動をしていたアーティストの一人が、パブロ・ピカソです。ピカソの活動後期は、スペインの内戦時期と重なっており、共和国政府の依頼を受けて、風刺的な作品も発表していました。
それらの作品を商品にした絵葉書は、共和国政府の資金源に充てられるなど、デザイナー的な活動をしていたと言えるでしょう。
デザインとアートの共通点
ここまではデザインとアートの相違点について述べてきましたが、共通点もあります。
それは、どちらも「クリエイター」というカテゴリーに分類される点です。
クリエイターは「思考や信条を何らかの媒体を用いて表現できる人」の総称です。
また、それぞれの活躍の場も映像やWebを始め、幅広いフィールドに渡ります。
デザイナーとアーティストの将来性
これから、デザイナーやアーティストは、どのような将来像を描けば良いのでしょうか。
結論を述べると、既にあるデザイナー像として、ユーザーの問題解決やコンバージョン率向上に尽力する姿勢は、引き続き求められるでしょう。
ですがそれに加えて、アートを利用して社会に対し問題提起力も併せ持つクリエイターが、これからは重宝されると考えられます。
歴史的観点から考察すると、アートとデザインは混同されてきたと言えるでしょう。
ピカソやマティスの作品でも分かるように、アーティストの作品が「広告」「宣伝」ツールとして利用され、何らかの利益を生み出してきた事例は、数多存在します。
その経緯を踏まえて2005年にスタンフォード大学が創設したd.schoolによって「デザイン思考」という概念が提唱されました。その結果、一時はアートとデザインを分けて捉えようという考えが主流となりました。
ですが、「デザイン思考」に基づいた類似の商品が大量生産され飽和気味にある現在は、アートの持つ「問題提起」の価値を再評価する動きが見られます。
この動きからは、時代と共に人々の考えや嗜好は変化するものであり、良いデザインの基準はそれらの動きに合わせて流動的に変わるものだと言えるのではないでしょうか。
デザインとアートの共存の実例としては、スターバックスのタンブラーやマグカップなどがあります。
従来はボディの持ちやすさや飲み口の使いやすさなど、デザイナーがユーザーファーストを心がけた製品が主流でした。
ですがアーティストの美しい絵を側面に採用したデザインに魅力を感じて、登場以来それらを収集している人も多いのでしょうか。
また、地域やシーズンごとに、新しいモチーフのタンブラーが登場するのも、消費者の「アート」を楽しみたいという願望に、スターバックスが答えているのかもしれません。
アートとデザインの掛け算の良さ
スターバックスの例を見ても分かるように、デザインにアートの要素を取り入れると、画一的になりがちなデザインに新たな価値を与えられます。
本来は科学的な要素が強いデザイン思考ですが、対極の要素も加えることで、新たな領域を開拓できる可能性を秘めているのです。
アートはデザインの「手段」である
最近のデザインとアートの関係性は、アートをデザインの工程で「手段」として捉え、アート的なデザインを積極的に使用するケースが増えています。
特に広告は、従来のデザインの概念に囚われずに、オーディエンスの感性に訴えかけるデザインが積的に生み出されています。現況を鑑みると、これからはますます両者の垣根を越えたプロダクトが増えていくことが予想されるのではないでしょうか。
Webデザインであれば、例えば従来のECショップは「デザイン」に力を注ぎ、ユーザーが利用しやすいサイトを目指して、サイト設計を行うデザイナーが多かったかもしれません。
ですが、WordPressなどを利用して誰でも気軽にサイト構築ができるようになった結果、ありきたりなデザインだけでは、大勢のライバルの中に埋もれてしまいます。
ライバルと差をつけるには、欲しい商品がすぐに購入できる「問題解決」だけでなく、消費者の潜在的なニーズを引き出すアート的なデザイン力も、求められるようになっていくのかもしれません。