WEB制作
催事運営の属人化と空き区画の課題を同時解決！JR東日本クロスステーションの業務改善を支えたサイト、CMS構築
エキナカの商業施設を一手に担い、「エキュート・グランスタ」や「コレもう食べた？」「エキナカラボ」などのエキナカブランドやコンビニ「NewDays」や、そば店「いろり庵きらく」などの店舗運営を通じて、JR東日本グループの駅の魅力向上に貢献している株式会社JR東日本クロスステーション様。
コロナ禍による空き区画の増加や、属人的になっていた催事運営といった課題を背景に、同社では「催事募集サイト」の制作に踏み切りました。制作パートナーとしてデザインファーストを選んだ決め手や、実際の開発プロセス、導入後の効果について、株式会社JR東日本クロスステーション 総括本部 クロス戦略統括室 クロス戦略部 兼 開発・設備部 開発チームの有賀 慎吾様にお話を伺いました。
課題
・エキナカテナントの撤退が相次ぎ、空き区画の有効活用が求められた。
・催事情報の管理が属人的で、情報共有がスムーズにできていなかった。
・出店希望の企業様への対応等で、担当者間の連携が上手に取れていなかった。
依頼の決め手
・信頼できる既存取引先からの紹介で、初回の打ち合わせから安心して任せられると感じた。
・高いセキュリティ基準を難なくクリアし、公共性の高い業務にも対応可能だった。
・自社の事情を的確に理解し、納得できる提案を最初から提示してくれた。
効果
・サイト上で出店希望企業様が事前情報を把握できるようになり、対応時間が削減された。
・対応進捗の可視化や社内での重複対応の解消により、社内外から高評価を得た。
企業情報
- 会社名
- 株式会社JR東日本クロスステーション
- 設立
- 2021年4月1日
- 従業員数
- 3,043名（2025年4月1日現在）
- 事業内容
- エキナカ・駅チカを中心としたリテール事業（NewDays、KIOSK、専門店）、飲食・食品製造事業（そば・カフェ・駅弁製造等）、自動販売機事業 （acure／飲料開発・卸）、商業施設の開発・運営（エキュート、グランスタ等）
Excel管理で感じた限界。煩雑化する催事運営の実情
JR東日本クロスステーションの事業内容と、有賀様が担当されている業務について教えてください
当社は、JR東日本エリアにあるエキナカの商業施設の運営を一手に担う会社で、2021年にJR東日本グループ内の複数社が統合して設立されました。例えば「エキュート・グランスタ」や「コレもう食べた？」などのエキナカブランドや、コンビニ「NewDays」や、そば店の「いろり庵きらく」などの運営も当社が行っています。
その中で私は、会社統合に伴って発足した各カンパニー間でのルール統一や、複数のカンパニーにまたがる新規事業の調整などを担当しています。
催事の募集サイト制作に至った背景をお教えください。
催事の募集サイトを制作した背景は2つあります。
1つ目は、コロナ禍で駅での出店企業が減少し、テナントの閉店が相次いだ結果、空き区画が増加してしまったことです。このような状況を受けて、当社の役員から「空き区画の募集サイトを作ってほしい」という要望がありました。
2つ目は、催事管理の煩雑さと属人化の解消です。当時は催事の情報をExcelで管理していたのですが、決まったフォーマットがなく、各担当者が独自の方法で管理していました。さらに、このファイルは社員間で共有されることもなかったため、催事の情報を知りたい場合は、該当の担当者にメールや電話をしないと把握することができないという課題がありました。
催事情報の共有がなされていなかったとのことですが、担当者はどのような形で決められていたのでしょうか？
催事出店のお問い合わせをいただいたら、管理部が営業部に一斉メールをして、やりたい人が手を挙げるという方法で担当者を決めていました。しかし、その後のやり取りや調整は各担当者に任されていたため、進捗が不透明になっていました。さらに、手を挙げた担当者が複数いた場合の社内調整ができていない場合があり、複数の担当者が出店希望の企業様に連絡してしまうことも起きておりました。
また、企業様とのやり取りでも課題はありました。担当者はメールや電話で「いつ」「どこで」「何を販売したいか」などを確認するのですが、商談を進めていく中で条件が合わないことが判明して途中で破綻してしまうケースも少なくなかったです。事前に情報が得られなかったことにより、担当者にとってもご利用いただく企業様にとっても不必要な工数が発生してしまっていました。
プロトタイプから完成度が高い！セキュリティ基準も満たした開発プロセスとは
デザインファーストの提案で魅力に感じた点はありましたか？
初めてデザインファーストさんとお打ち合わせをさせていただいた際に、我々への寄り添い方が素晴らしいと感じました。元々当社のシステム開発をしてくださっていた企業様の紹介ということもありましたし、最初のやり取りからデザインファーストさんになら任せて問題ないと思ったので、他の制作会社さんと比較検討をすることもありませんでした。
実際の提案内容も、こちらの事情をよく理解してくださっていたので、共感できる納得度の高い提案をたくさんいただけたのが非常に良かったと感じています。
当社のように公共性の高いビジネスでは、極めて高いセキュリティ水準が求められます。グループ全体で統一した厳格なルールを設けており、多くの取引候補企業様でも適合が難しいほどですが、デザインファーストさんは難なくクリアしてくださいました。そのため、技術面でも大変信頼できる企業様だと感じました。
キックオフからリリースまでの期間と流れを教えてください。
キックオフをしてから約1年半後の2025年1月にリリースしました。リリースまでの流れを簡単に説明すると、最初の3ヶ月くらいは当社の課題感や、どのように解決をしたいと思っているかなどの情報収集、整理をしていただき、その後アジャイル方式で開発を行ってもらいました。
デザインファーストさんの良かったポイントは、ヒアリングをしっかりしてくださったことです。企業理解が深かったこともあり、一回目のプロトタイプの段階で完成度が高く、痒いところに手が届く仕様になっていました。
正直、当社の担当者からはレベルの高い要望をたくさん出させていただきました。これらをまとめて、ほぼ全ての要望を満たしてくれたのは率直に凄いと感じました。
今回リリースした、催事募集サイトでこだわった部分はどちらになるのでしょうか？
特にこだわったのは、さまざまな絞り込みで催事スペースを探せるところです。エリアや駅名だけではなく、希望する催事スペースの面積や業態、「エキュート・グランスタ」や「コレもう食べた？」などのブランドなどで絞り込みが可能です。
しかし、この絞り込みには裏話があり、最初は駅名で絞り込みができませんでした。催事募集サイトがほぼ出来上がった段階で「駅で探せないと催事スペースを探しているユーザーにとって使いにくいのではないか」という話になり、急遽駅名での絞り込み機能も追加しました。緊急かつ重い修正依頼でしたが、デザインファーストさんは嫌な顔ひとつせずスピーディーに対応してくださったのでとても感謝しております。
社内外から高評価。グループ会社や本社にも波及する活用の広がり
完成したサイトをご覧になって、社内の皆様からはどのような声が上がっていますか？
担当者からは喜びの声しかいただいていません。この1年半の苦労が実を結び、サイトを活用して会社に貢献していこうという機運が生まれています。また、デザインファーストさんのおかげで極めてクオリティが高いものができたので、同じ悩みを抱えるJR東日本のグループ会社に、当社の社長自ら催事募集サイトのシステムを紹介しており、かなり良い反応をいただいています。サイトの評判はJR本社にも届き、「催事募集サイトの仕組みについて教えて欲しい」と言われている状況です。
反響が凄いですね！担当者の皆様が喜んでいる具体的な点はどこでしょうか？
各担当者が喜んでいるのは、出店希望の企業様への対応時間が大幅に減ったことです。先ほどもお伝えしましたが、以前はお申込みに対して、電話やメールでやり取りを重ねなければ出店の要件を把握できず、結果的に時間だけがかかることも多かったです。しかし、サイト上に出店可能なエリアや面積の情報が掲載されたことで、要件に合う催事スペースを企業様が把握した上でお問い合わせいただけるようになりました。
また、お問い合わせいただく段階でお問い合わせ内容などの事前情報を入力いただくことで、最初の商談から出店に向けた具体的なお話をすることができるようになりました。結果として、当社の担当者とご利用いただく方の双方にとってスムーズな進行となり、喜ばしい変化でした。
全国の鉄道会社へ展開を！催事サイトのさらなる進化を見据えて
今後の催事募集サイトをどのように発展させたいか、そしてデザインファーストにどのようなことを期待しているか教えてください。
今回作ったサイト、システムは、他の鉄道会社や地下鉄などでも使いやすい仕組みであるという自信があります。今後も細かい改良を重ねつつ、ひとつでも多くの鉄道会社様やグループ会社にこのシステムが広がり、ショッピングセンターなどの催事売場の人たちと差別化できるようなサイトに育てていきたいと思っております。
デザインファーストさんには現時点でも期待以上のことをしていただいているので、今までどおりお付き合いいただけたら嬉しいです。それだけで心の底からありがたいと思っています。
デザインファーストのサイト、CMS構築はどのような課題感を持つ企業におすすめしたいですか？
業務の運用体制に課題があったり、何をやるにも社内調整が必要な会社様におすすめしたいと思います。デザインファーストさんは、そのような企業様の状況を把握したうえで寄り添って提案をしてくださいます。また、さまざまな意見がでたとしてもそれらをしっかりと取りまとめてプロジェクトを推進する力がすごいです。担当者から役員まで各レイヤーで課題や実現したいことがあるけど、どのように実現できるか分からないという企業の強い味方となってくれると思います。
